“いっさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一散32.9%
一盞32.9%
一山12.3%
一粲9.6%
逸散8.2%
一燦2.7%
佚散1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一散いっさんに浅吉のいた方向に向ってせ出したのは、魂を失うたように、うろうろしていた浅吉が、今しも一本の木の枝を選んで
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
丹平がここに金之助に語りつつある、この黒旋風を驚かしたものは、智多星呉ちたせいご軍師の謀計でない、ただ一盞いっさんの白酒であった。——
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
円道はじめ一山いっさんの僧徒もおどりあがって歓喜よろこび、これでこそ感応寺の五重塔なれ、あら嬉しや、我らが頼む師は当世に肩を比すべき人もなく
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
従って上記のごときは俳壇の諸家の一粲いっさんを博するにも足りないものであろうが、しかし全然畑違いのディレッタントの放言も時に何かの参考になることもあろうかと思って
俳句の精神 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
逸散いっさんに駈て来て、ドカッと深い穴へ落ちたら、彼様あんな気がするだろうと思う。私は然う聞くと、ハッと内へ気息いきを引いた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その姿を見るとまた、消え際の灯の一燦いっさんのような、悲壮なものに十兵衛は胸打たれた。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文字の教育が都府とその周辺に偏在した結果、是らはすべて永遠に、記録の外に佚散いっさんしようとしている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)