“いつさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一散36.8%
逸散21.1%
一盞15.8%
一山10.5%
一粲10.5%
逸驂5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
博士はかせしきりゆびさしをしてたが、くちけないらしかつた、で、一散いつさんけて、だまつて小屋こやまへとほらうとする。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
我ものに一義も被引受頼母敷たのもしく共、難有共不申、身にあまり國家の爲悦敷よろこばしき次第に御座候。若哉もしや老公むちを擧て異船へさきがけ御座候はゞ、逸散いつさん駈付かけつけむへ草(埋草)に成共罷成申度心醉仕申候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
「げに、酒は美人に限ること古今相同じでげす」と丸井玉吾既に一盞いつさんを傾け尽くしつ「イヤ、どうも御禁酒のかたの代理と云ふ法もないわけでげすな、先生、飛んだ失礼を——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
希有ぢや未曾有ぢやまたあるまじと爲右衞門より門番までも、初手のつそりを軽しめたる事は忘れて讚歎すれば、圓道はじめ一山いつさんの僧徒も躍りあがつて歓喜よろこび、これでこそ感応寺の五重塔なれ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
予をして当時に生まれしめば、戯れに河童晩帰かつぱばんきの図を作り、山紫水明楼上の一粲いつさんを博せしやもまた知る可からず。且又彼等も聰明の人なり。あに彼等の道楽を彼等の芸術と混同せんや。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さし逸驂いつさんにこそ馳行はせゆきけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)