一粲いつさん)” の例文
我は唯だ世の人の多く語るところにして、我が爲めにもをかしとおもはるゝものなるからに、人々の一粲いつさんを博するしろにもとおもひし迄なり。
予をして当時に生まれしめば、戯れに河童晩帰かつぱばんきの図を作り、山紫水明楼上の一粲いつさんを博せしやもまた知る可からず。且又彼等も聰明の人なり。あに彼等の道楽を彼等の芸術と混同せんや。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)