“刎返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はねかえ83.3%
はねかへ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
押して出ると、不意にすごい音で刎返はねかえした。ドーンと扉の閉るのが、広い旅館のがらんとした大天井から地の底まで、もっての外に響いたのである。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この間まで丸で朝鮮人見たような奴が、恐ろしい権幕をもって呉れる物を刎返はねかえして、伯夷はくい叔斉しゅくせいのような高潔の士人に変化へんかしたとは、何と激変ではあるまいか。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かツ眞黄色まつきいろひからしたが、ギヤツといて、ひたりと欄干らんかんした刎返はねかへる、とはしつたつてつぶてはしつた宿やどなかかくれたのである。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなうへ唯一人たゞひとりやがてほしひとつないしたに、はてのない蒼海あをうみなみに、あはれ果敢はかない、よわい、ちからのない、身體からだ單個ひとつもてあそばれて、刎返はねかへされてるのだ、と心着こゝろづいて悚然ぞつとした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)