刎返はねかへ)” の例文
かツ眞黄色まつきいろひからしたが、ギヤツといて、ひたりと欄干らんかんした刎返はねかへる、とはしつたつてつぶてはしつた宿やどなかかくれたのである。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなうへ唯一人たゞひとりやがてほしひとつないしたに、はてのない蒼海あをうみなみに、あはれ果敢はかない、よわい、ちからのない、身體からだ單個ひとつもてあそばれて、刎返はねかへされてるのだ、と心着こゝろづいて悚然ぞつとした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)