“刎釣瓶”の読み方と例文
読み方割合
はねつるべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
刎釣瓶はねつるべ竿さおに残月のかかった趣なぞは知ろうはずもない。そういう女が口先で「重井筒かさねいづつの上越したすいな意見」とうたった処で何の面白味もないわけだ。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かたわらなる苫屋の背戸に、緑を染めた青菜の畠、結いめぐらした蘆垣あしがきも、船も、岩も、ただなだらかな面平おもたいらに、空に躍った刎釣瓶はねつるべも、もやを放れぬ黒いいとすじ
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
原を出ると大根畑があって、その向うに生垣いけがきがあって、そこでギーッと刎釣瓶はねつるべの音がします。米友は、畑の中の道を突切って行って見ると百姓家です。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)