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刎釣瓶
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はねつるべ
ふりがな文庫
“
刎釣瓶
(
はねつるべ
)” の例文
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
の
竿
(
さお
)
に残月のかかった趣なぞは知ろうはずもない。そういう女が口先で「
重井筒
(
かさねいづつ
)
の上越した
粋
(
すい
)
な意見」と
唄
(
うた
)
った処で何の面白味もない
訳
(
わけ
)
だ。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
傍
(
かたわら
)
なる苫屋の背戸に、緑を染めた青菜の畠、結い
繞
(
めぐ
)
らした
蘆垣
(
あしがき
)
も、船も、岩も、ただなだらかな
面平
(
おもたいら
)
に、空に躍った
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
も、
靄
(
もや
)
を放れぬ黒い
線
(
いとすじ
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
原を出ると大根畑があって、その向うに
生垣
(
いけがき
)
があって、そこでギーッと
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
の音がします。米友は、畑の中の道を突切って行って見ると百姓家です。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それと申すが、まず庭口と思う処で、キリキリトーンと、余程その
大轆轤
(
おおろくろ
)
の、
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
を
汲上
(
くみあ
)
げますような音がいたす。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
衣更
(
ころもが
)
えの姿を見よ、と小橋の上で
留
(
とま
)
るやら、旦那を送り出して
引込
(
ひっこん
)
だばかりの奥から、わざわざ駈出すやら、
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
の手を休めるやら、女
連
(
づれ
)
が上も下も
斉
(
ひと
)
しく見る目を
聳
(
そばだ
)
てたが、車は確に
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
刎釣瓶
(
はねつるべ
)
の竹も動かず、
蚊遣
(
かやり
)
の煙の
靡
(
なび
)
くもなき、夏の
盛
(
さかり
)
の午後四時ごろ。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
刎
漢検1級
部首:⼑
6画
釣
常用漢字
中学
部首:⾦
11画
瓶
常用漢字
中学
部首:⽡
11画
“刎”で始まる語句
刎
刎頸
刎橋
刎上
刎返
刎起
刎付
刎飛
刎退
刎出