“反響”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こだま68.2%
はんきょう9.1%
はんきやう4.5%
エコー4.5%
さしひびき2.3%
ひび2.3%
ひびき2.3%
ひゞき2.3%
やまびこ2.3%
リヴァーベレーション2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにしても若しも此処に伯五郎達のやうな口達者が現れたら、定めし壮烈な反響こだまが火花を散らすことだらうと不図思つたら
沼辺より (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
こうした風に、段々、へんなうわさがたつのに加えて、人のい村川が、無意識にふりまいた、デマゴオグも、また相当の反響はんきょうがあったと思われます。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
御米およねひさぶり綿わたつたおもいものをてゝ、はだあかれないかる氣持きもちさわやかにかんじた。はるなつさかひをぱつとかざ陽氣やうき日本にほん風物ふうぶつは、さむしい御米およねあたまにも幾分いくぶんかの反響はんきやうあたへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ウィルヘルム・テル」をひもとくときはじめて記される言葉はクーライエンのメロディーである。反響エコーのようにこれに答える山上の牧歌は、そのヴァリアツィヨーンである。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
秋野が預るとすると、男だから、つは土地者ところものだけに種々いろいろな関係があつて、屹度きつと何かの反響さしひびきが起る。孝子はそれも考へたのだ。そして
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、土坡のような丘の彼方にも、一揆の大衆いたと見え、数百、数千、万にも余る、大勢の声が法螺貝ほらがい、竹法螺、鉄砲の音をさえそれに雑え、ドーッとあがりワーンと反響ひびいた。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
反響ひびきのみはわが耳にち来れど咳声しわぶき一つ聞えず、玄関にまわりてまた頼むといえば、先刻さき見たる憎げな怜悧小僧りこうこぼうずのちょっと顔出して、庫裡へ行けと教えたるに、と独語つぶやきて早くも障子ぴしゃり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
反響ひゞきのみは我が耳に堕ち来れど咳声しはぶき一つ聞えず、玄関にまはりて復頼むといへば、先刻さき見たる憎気な怜悧小僧こばうずの一寸顔出して、庫裡へ行けと教へたるに、と独語つぶやきて早くも障子ぴしやり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と百合子は雪洞を高く差しあげて、これ位の大きな声を挙げても平気だといふことを披露するために、反響やまびこを面白がる子供のやうに——「こんばんわ!」などゝ叫んだ。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
椅子いすに腰かけたままじっと耳をすまして楽器と天井の間に往復する音波の反響リヴァーベレーションに聞き入っていた瞬間の姿である。
二十四年前 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)