“こだま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コダマ
語句割合
37.7%
木精15.0%
木魂14.4%
木霊9.5%
反響9.2%
児玉3.4%
谺響1.8%
木靈1.5%
小玉1.2%
山彦1.2%
木谺0.6%
木魅0.6%
兒玉0.3%
樹神0.3%
小珠0.3%
木玉0.3%
木魂精0.3%
林響0.3%
樹魂0.3%
蚕玉0.3%
0.3%
谷谺0.3%
谽谺0.3%
返響0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひさしぶりで、うしてかせたまゝ、りの小間使こまづかひさへとほざけて、ハタとひらきとざしたおとが、こだまするまでひゞいたのであつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
茫然ぼんやりしてると、木精こだまさらふぜ、昼間ひるまだつて用捨ようしやはねえよ。)とあざけるがごとてたが、やがいはかげはいつてたかところくさかくれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その「まあ」が、まるで木魂こだまのように、控室から広間へ、広間から客間へ、客間から台所へ……あげくのはては穴倉へまで、つたわってゆく。
嫁入り支度 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ふとなわで、鉄槌てっついげて、とすたびに、トーン、トーンというめりむようなひびきが、あたりの空気くうき震動しんどうして、とおくへ木霊こだましていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
法水の声のみが陰々と反響こだましても、それがてんで耳に入らなかったほど、検事と熊城は、目前の戦慄せんりつすべき情景にきつけられてしまった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
すなわちこれらの地においては郷名として特に名家の姓を採用したことあたかも大連の児玉こだま町・乃木のぎ町と同じである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
われは二あし三あし進み入りぬ。されど谺響こだまにひゞく足音あのとおそろしければ、しづかに歩を運びたり。先の方には焚火する人あり。三人の形明に見ゆ。
それは、一つ/\の、もの寂しい部屋の中にゐる木靈こだまを呼び起すやうな騷がしい反響となつて消えて行つた。だが、その聲の源は、一つしかなかつたから、私はどのドアから出てくるかゞわかつた。
小玉こだま君や横光よこみつ君、それに田畑たばた君などは、春木少年ひとりにだしぬかれたことをくやしがって、こんど何かあったら、きっと自分たちも、仲間に入れてくれとせがんだ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
るとそのあたり老木ろうぼくがぎっしりしげっている、ごくごくさびしい深山しんざんで、そして不思議ふしぎ山彦こだまのよくひびところでございました。
打てば血が流れ、その哀号あいごうの声はあたりの森に木谺こだまして、凄惨実にたとえようもなかった。
木魅こだま山魅すだまかげつて、こゝのみならず、もり廊下らうかくらところとしいへば、ひとみちびくがごとく、あとに、さきに、朦朧もうろうとして、あらはれて、がく角切籠かくきりこ紫陽花あぢさゐ円燈籠まるとうろうかすかあをつらねるのであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兒玉こだま先程來さきほどらいおほくちひらかず、微笑びせうして人々ひと/″\氣焔きえんきいたが、いま突然とつぜん出身しゆつしん學校がくかうはれたので、一寸ちよつとくちひらなかつたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
兒玉こだま言々句々げん/\くゝ肺腑はいふよりで、其顏そのかほには熱誠ねつせいいろうごいてるのをて、人々ひと/″\流石さすがみゝかたむけて謹聽きんちやうするやうになつた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一旦ひとたび一四四樹神こだまなどいふおそろしきものむ所となりたりしを、わか女子をんなご一四五矢武やたけにおはするぞ、一四六老が物見たる中のあはれなりし。
はては樹神こだまなどというおそろしい妖怪のすみかとなったのに、若い女の身でそこにひとりとどまっていらっしゃる気丈さというものは、私がこの年まで見聞きしたことのなかでも
それについてわしが気づいた最初の事は十字架、むしろ十字架を支えてる紐でありましたのじゃ、当然、あんた方にとっても、それはただ小珠こだまの紐であった。
ひるの貝おくる木玉こだま三井みいの秋 探志
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
それでも、背中せなかや胸をいてやるまい、噫木魂精こだまよ、おまへは腕をして勝ち誇る夢を捧げてゐる。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ふたりの足音が気味わるく林響こだまに響くばかりでした。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
響ない真昼の樹魂こだま
水のほとりに (新字旧仮名) / 三富朽葉(著)
こちらにくると観音さまや天照大神または蚕玉こだまさま(蚕の守護神)の画像(掛図)になっている。これは大きな変化である。
人形の話 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
白昼も寂然しんとしていてこだまをするか、濁って呼ぶから女の名ではあるまいが、おなじ名のきれいな、あわれなおんながここで自殺をしたと伝えて、のちのちの今も
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかづち夕に天半なかぞらを過ぐ、烏帽子、国見の山脈に谷谺こだまをかへせしその響は漸く遠ざかれり、牧島湾頭やがて面より霽れたれども
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
公園は森邃しんすいとして月色ますますくらく、夜はいまや全くその死寂に眠れるとき、谽谺こだまに響き、水に鳴りて、魂消たまぎ一声ひとこえ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大空おほぞら返響こだまおと
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)