山彦こだま)” の例文
この折から聞えはじめたのはどっという山彦こだまに伝わるひびき、ちょうど山の奥に風が渦巻うづまいてそこから吹起ふきおこる穴があいたように感じられる。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
るとそのあたり老木ろうぼくがぎっしりしげっている、ごくごくさびしい深山しんざんで、そして不思議ふしぎ山彦こだまのよくひびところでございました。
まなこ閉づれば速く近く、何処いづこなるらんことの音聴こゆ かしら揚ぐれば氷の上に 冷えたるからだ、一ツ坐せり 両手もろてふるつて歌うたへば 山彦こだまの末見ゆ、高きみそら
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
かなしや山彦こだまかへりきぬ。
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)