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一片
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ひとつ
ふりがな文庫
“
一片
(
ひとつ
)” の例文
下なるはいよいよ細りていつしか影も残らず消ゆれば、残れる
一片
(
ひとつ
)
はさらに灰色に
褪
(
うつろ
)
いて
朦乎
(
ぼいやり
)
と空にさまよいしが
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
村端れの溝に芹の葉
一片
(
ひとつ
)
青んでゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、
雪消
(
ゆきげ
)
の路の
泥濘
(
ぬかるみ
)
の處々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「実はどういうんだか、今夜の雪は
一片
(
ひとつ
)
でも
身体
(
からだ
)
へ当るたびに、毒虫に
螫
(
ささ
)
れるような気がするんです。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
村端
(
むらはづれ
)
の溝に
芹
(
せり
)
の葉
一片
(
ひとつ
)
青
(
あを
)
んではゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、
雪消
(
ゆきげ
)
の路の
泥濘
(
ぬかるみ
)
の処々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恰度
(
ちやうど
)
鶴飼橋へ差掛つた時、円い十四日の月がユラ/\と姫神山の上に昇つた。空は雲
一片
(
ひとつ
)
なく穏かに晴渡つて、紫深く
黝
(
くろず
)
んだ岩手山が、
歴然
(
くつきり
)
と
夕照
(
せきせう
)
の名残の中に浮んでゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
『ハヽヽ。神山
様
(
さん
)
が大丈夫ツてのなら安心だ。早速やらうか。』と信吾が真先に
一片
(
ひとつ
)
摘
(
つま
)
む。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
空は、仰げば目も眩む程無際限に澄み切つて、塵
一片
(
ひとつ
)
飛ばぬ日和であるが、
稀
(
たま
)
に
室外
(
そと
)
を歩いてるものは、
何
(
ど
)
れも何れも申合せた様に、心配気な、浮ばない顔色をして、
跫音
(
あしおと
)
を
偸
(
ぬす
)
んでる様だ。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“一片”の意味
《名詞》
薄く小さいものの一枚。
大きな固まりのうちの一かけら。
わずか。ほんの少し。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“一片”で始まる語句
一片付
一片食
一片々々
一片着
一片紙
一片雲
一片餉
一片二片