一匹ひとつ)” の例文
また一匹ひとつはその腕にからみてはじめの如く彼をいましめ、かつ身をかたくその前に結びて彼にすこしも之を動かすをゆるさゞりき 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
私の義務として恐らくは神の小羊こひつじ一匹ひとつであつたかも知れぬこの娘が、實は一人の墮落もの——眞の羊の群に屬する者ではなく、明らかに僞者にせものであり
うね/\とくねりからめる錦蛇一匹ひとつにかあらむ二匹ふたつにかあらむ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
我は見き(いまも思へば我心わなゝく)、一匹ひとつの蛙殘りて一匹ひとつ飛びこむことあるごとくひとりの者のとゞまるを 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此時よりこの方蛇はわが友なりき、一匹ひとつはこの時彼の頸にからめり、そのさまさながら我は汝にまた口をきかしめずといへるに似たりき 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)