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一顆
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ひとつ
ふりがな文庫
“
一顆
(
ひとつ
)” の例文
その
一顆
(
ひとつ
)
は渋かりき。他の一顆を
味
(
あじわ
)
わむとせしに、真紅の色の黒ずみたる、
台
(
うてな
)
なきは、虫のつけるなり。熟せしものにはあらず、毒なればとて、亡き母棄てさせたまいぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
苦桃
(
にがもも
)
一顆
(
ひとつ
)
浮波々々
(
ふわふわ
)
と
浮来
(
うききた
)
りぬ
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
口惜
(
くちおし
)
や、われら、
上根
(
じょうこん
)
ならば、この、これなる烏瓜
一顆
(
ひとつ
)
、ここに一目、
令嬢
(
おあねえさま
)
を見ただけにて、秘事の
悟
(
さとり
)
も開けましょうに、無念やな、
老
(
おい
)
の
眼
(
まなこ
)
の涙に曇るばかりにて、心の霧が晴れませぬ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
色がいいから
紅茸
(
べにたけ
)
などと、二房一組——色糸の
手鞠
(
てまり
)
さえ随分糸の乱れたのに、
就中
(
なかんずく
)
、
蒼然
(
そうぜん
)
と古色を帯びて、しかも精巧目を驚かすのがあって、——中に、可愛い娘の
掌
(
てのひら
)
ほどの
甜瓜
(
まくわ
)
が、
一顆
(
ひとつ
)
。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雲の形が葉を
拡
(
ひろ
)
げて、
淡
(
うす
)
く、すいすいと飛ぶ蛍は、瓜の筋に
銀象嵌
(
ぎんぞうがん
)
をするのです。この瓜に、朝顔の白い花がぱっと咲いた……
結綿
(
ゆいわた
)
を重そうに、娘も膝に
袂
(
たもと
)
を折って、その上へ
一顆
(
ひとつ
)
のせました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
顆
漢検1級
部首:⾴
17画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥