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一段
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いちだん
ふりがな文庫
“
一段
(
いちだん
)” の例文
風情
(
ふぜい
)
は
一段
(
いちだん
)
で、
汀
(
みぎは
)
には、
所々
(
ところ/″\
)
、
丈
(
たけ
)
の
低
(
ひく
)
い
燕子花
(
かきつばた
)
の、
紫
(
むらさき
)
の
花
(
はな
)
に
交
(
まじ
)
つて、あち
此方
(
こち
)
に
又
(
また
)
一
輪
(
りん
)
づゝ、
言交
(
いひか
)
はしたやうに、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
が
交
(
まじ
)
つて
咲
(
さ
)
く……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
頓
(
やが
)
て
船尾
(
せんび
)
の
方
(
かた
)
へ
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると、
此處
(
こゝ
)
は
人影
(
ひとかげ
)
も
稀
(
まれ
)
で、
既
(
すで
)
に
洗淨
(
せんじよう
)
を
終
(
をは
)
つて、
幾分
(
いくぶん
)
の
水氣
(
すゐき
)
を
帶
(
お
)
びて
居
(
を
)
る
甲板
(
かんぱん
)
の
上
(
うへ
)
には、
月
(
つき
)
の
色
(
ひかり
)
も
一段
(
いちだん
)
と
冴渡
(
さへわた
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
またの下からさかさまに見ると、曲馬小屋はまた
一段
(
いちだん
)
と美しくはなやかに、まるで空中に
浮
(
う
)
かんだ
御殿
(
ごてん
)
のように見えました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そへて
梟
(
ふくろふ
)
の
叫
(
さけ
)
び
一段
(
いちだん
)
と
物
(
もの
)
すごしお
高
(
たか
)
決心
(
けつしん
)
の
眼光
(
まなざし
)
たじろがずお
心
(
こゝろ
)
怯
(
おく
)
れかさりとては
御未練
(
ごみれん
)
なり
高
(
たか
)
が
心
(
こゝろ
)
は
先
(
さき
)
ほども
申
(
まを
)
す
通
(
とほ
)
り
決
(
きは
)
めし
覺悟
(
かくご
)
の
道
(
みち
)
は
一
(
ひと
)
つ
二人
(
ふたり
)
の
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
方
(
はう
)
から
見
(
み
)
ますと、
大黒屋
(
だいこくや
)
は
一段
(
いちだん
)
と
高
(
たか
)
い
石垣
(
いしがき
)
の
上
(
うへ
)
にありまして、その
石垣
(
いしがき
)
のすぐ
下
(
した
)
のところまで
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
桑畠
(
くはばたけ
)
が
續
(
つゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
ましたから
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
老
(
おい
)
を
知
(
し
)
らなければ
老
(
お
)
いず、
僕
(
ぼく
)
は
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
は
死
(
し
)
ぬるまで
老
(
おい
)
ないだらうと
思
(
おも
)
ひます、
死
(
し
)
ぬる
今
(
いま
)
はの
際
(
きは
)
にも、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
一段
(
いちだん
)
の
光明
(
くわうみやう
)
なる
生命
(
せいめい
)
を
望
(
のぞ
)
んで
居
(
ゐ
)
るだらうと
思
(
おも
)
ひます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
とふたたび
袖
(
そで
)
をまくりなおした。かれは
鉄杖
(
てつじょう
)
を背なかへくくりつけて、
護身
(
ごしん
)
の短剣をぬいた。そして、岩の面へむかって、
一段
(
いちだん
)
一段、じぶんの足がかりを、掘りはじめたのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其上
(
そのうへ
)
參禪
(
さんぜん
)
の
士
(
し
)
を
鼓舞
(
こぶ
)
する
爲
(
ため
)
か、
古來
(
こらい
)
から
斯
(
この
)
道
(
みち
)
に
苦
(
くる
)
しんだ
人
(
ひと
)
の
閲歴譚
(
えつれきだん
)
抔
(
など
)
を
取
(
と
)
り
交
(
ま
)
ぜて
一段
(
いちだん
)
の
精彩
(
せいさい
)
を
着
(
つ
)
けるのが
例
(
れい
)
であつた。
此日
(
このひ
)
も
其
(
その
)
通
(
とほ
)
りであつたが
或所
(
あるところ
)
へ
來
(
く
)
ると、
突然
(
とつぜん
)
語調
(
ごてう
)
を
改
(
あらた
)
めて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを
他
(
た
)
の
方面
(
ほうめん
)
に
用
(
もち
)
ふることを
得
(
う
)
るようになり、
從
(
したが
)
つて
文明
(
ぶんめい
)
が
一段
(
いちだん
)
と
進歩
(
しんぽ
)
することになつたのでありますから、
土器
(
どき
)
の
發明
(
はつめい
)
といふことは、
人類
(
じんるい
)
の
文明
(
ぶんめい
)
の
歴史
(
れきし
)
の
上
(
うへ
)
に
一大事件
(
いちだいじけん
)
でありまして
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その
時
(
とき
)
まず、その中で
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
った
白猫
(
しろねこ
)
が
一段
(
いちだん
)
高
(
たか
)
い
石
(
いし
)
の上に
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がって
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一段
(
いちだん
)
のぼればよろよろと
“MONICO”
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
幼君
(
えうくん
)
たゞちに
御披見
(
ごひけん
)
ありて、「こは
一段
(
いちだん
)
の
思附
(
おもひつき
)
、
面白
(
おもしろ
)
き
取合
(
とりあは
)
せなり。
如何
(
いか
)
に
汝
(
なんぢ
)
が
心
(
こゝろ
)
にもこれにて
可
(
よ
)
しと
思
(
おも
)
へるか」と
御尋
(
おたづね
)
に、はツと
平伏
(
へいふく
)
して
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜
(
よ
)
は
漸々
(
やう/\
)
に
深
(
ふか
)
くならんとす
人影
(
ひとかげ
)
ちらほらと
稀
(
まれ
)
になるを
雪
(
ゆき
)
はこゝ
一段
(
いちだん
)
と
勢
(
いきほひ
)
をまして
降
(
ふ
)
りに
降
(
ふ
)
れど
隱
(
かく
)
れぬものは
鍋燒饂飩
(
なべやきうどん
)
の
細
(
ほそ
)
く
哀
(
あは
)
れなる
聲
(
こゑ
)
戸
(
と
)
を
下
(
おろ
)
す
商家
(
しやうか
)
の
荒
(
あら
)
く
高
(
たか
)
き
音
(
おと
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
好奇心
(
かうきしん
)
から
砂
(
すな
)
すべりの
谷
(
たに
)
へ
顛落
(
てんらく
)
して、
九死一生
(
きうしいつしやう
)
になつた
事
(
こと
)
。
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
との
別
(
わか
)
れの
一段
(
いちだん
)
。
禿頭山
(
はげやま
)
の
彼方
(
かなた
)
から、
大輕氣球
(
だいけいききゆう
)
がふうら/\と
舞
(
ま
)
ひ
降
(
くだ
)
つて
來
(
き
)
た
事
(
こと
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(
第四十四圖
(
だいしじゆうしず
)
)それは
作
(
つく
)
る
時
(
とき
)
の
窯
(
かまど
)
が、
前
(
まへ
)
のものより
進歩
(
しんぽ
)
して、
燒
(
や
)
く
時
(
とき
)
に
燻
(
いぶ
)
されなかつたからでありまして、
土器
(
どき
)
の
製作法
(
せいさくほう
)
が
一段
(
いちだん
)
進
(
すゝ
)
んだものと
見
(
み
)
られますが、その
土器
(
どき
)
の
形
(
かたち
)
からいひますと
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
いま、
我
(
わ
)
が
瀧太郎
(
たきたらう
)
さんは、
目
(
め
)
まじろがず、
一段
(
いちだん
)
と
目玉
(
めだま
)
を
大
(
おほ
)
きくして、
然
(
しか
)
も
糠
(
ぬか
)
にぶく/\と
熟
(
う
)
れて
甘
(
あま
)
い
河豚
(
やつ
)
を
食
(
く
)
ふから
驚
(
おどろ
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
清
(
きよ
)
らかな
水
(
みづ
)
が
滾々
(
こん/\
)
と
泉
(
いづ
)
み
流
(
なが
)
れて、
其邊
(
そのへん
)
の
草木
(
くさき
)
の
色
(
いろ
)
さへ
一段
(
いちだん
)
と
麗
(
うる
)
はしい、
此處
(
こゝ
)
で
一休憩
(
ひとやすみ
)
と
腰
(
こし
)
をおろしたのは、かれこれ
午後
(
ごゝ
)
の五
時
(
じ
)
近
(
ちか
)
く、
不思議
(
ふしぎ
)
なる
響
(
ひゞき
)
は
漸
(
やうや
)
く
近
(
ちか
)
くなつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此君
(
このきみ
)
にあたる
人
(
ひと
)
あるまじと
見
(
み
)
えけるが、
孃
(
ひめ
)
とは
隨一
(
いつ
)
の
中
(
なか
)
よしにて、
何
(
なに
)
ごとにも
中姉樣
(
ちうねえさま
)
と
慕
(
した
)
ひ
寄
(
よ
)
れば、もとより
物
(
もの
)
やさしき
質
(
たち
)
の、これは
又
(
また
)
一段
(
いちだん
)
に
可愛
(
かあい
)
がりて、
物
(
もの
)
さびしき
雨
(
あめ
)
の
夜
(
よ
)
など
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
上段
(
じやうだん
)
づきの
大廣間
(
おほひろま
)
、
正面
(
しやうめん
)
一段
(
いちだん
)
高
(
たか
)
い
處
(
ところ
)
に、
疊
(
たゝみ
)
二疊
(
にでふ
)
もあらうと
思
(
おも
)
ふ、
恰
(
あたか
)
も
炎
(
ほのほ
)
の
池
(
いけ
)
の
如
(
ごと
)
き
眞鍮
(
しんちう
)
の
大火鉢
(
おほひばち
)
、
炭火
(
たんくわ
)
の
烈々
(
れつ/\
)
としたのを
前
(
まへ
)
に
控
(
ひか
)
へて、
唯
(
たゞ
)
見
(
み
)
る
一個
(
いつこ
)
の
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
客
(
きやく
)
さまはお
二階
(
にかい
)
なりといふ
伴
(
ともな
)
はるゝ
梯子
(
はしご
)
の
一段
(
いちだん
)
又
(
また
)
一段
(
いちだん
)
浮世
(
うきよ
)
の
憂
(
う
)
きといふ
事
(
こと
)
知
(
し
)
らで
昇
(
のぼ
)
り
降
(
くだ
)
りせしこともありし
其時
(
そのとき
)
の
酌取
(
しやくと
)
り
女
(
をんな
)
我
(
わ
)
が
前
(
まへ
)
離
(
はな
)
れず
喋々
(
てふ/\
)
しく
欵待
(
もてな
)
したるが
彼
(
か
)
の
女
(
をんな
)
もし
居
(
を
)
らば
彌々
(
いよ/\
)
面目
(
めんぼく
)
なき
限
(
かぎ
)
りなり
其頃
(
そのころ
)
の
朋友
(
とも
)
今
(
いま
)
も
遊
(
あそ
)
びに
來
(
こ
)
んは
定
(
ぢやう
)
の
物
(
もの
)
何
(
なに
)
ぞのは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
眗
(
みまは
)
す
顏
(
かほ
)
を、
突然
(
いきなり
)
、
燕
(
つばめ
)
も
蝙蝠
(
かうもり
)
も
飛
(
と
)
ばずに、
柳
(
やなぎ
)
のみどりがさらりと
拂
(
はら
)
ふと、
其
(
そ
)
の
枝
(
えだ
)
の
中
(
なか
)
を
掻潛
(
かいくゞ
)
るばかり、しかも
一段
(
いちだん
)
づいと
高
(
たか
)
く、
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めるやうな
廣
(
ひろ
)
い
河原
(
かはら
)
を
下
(
した
)
に、
眞蒼
(
まつさを
)
な
流
(
ながれ
)
の
上
(
うへ
)
に
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
差渡
(
さしわた
)
し、
池
(
いけ
)
の
最
(
もつと
)
も
廣
(
ひろ
)
い、
向
(
むか
)
うの
汀
(
みぎは
)
に、こんもりと一
本
(
ぽん
)
の
柳
(
やなぎ
)
が
茂
(
しげ
)
つて、
其
(
そ
)
の
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
を
際立
(
きはだ
)
てて、
背後
(
うしろ
)
に
一叢
(
ひとむら
)
の
森
(
もり
)
がある、
中
(
なか
)
へ
横雲
(
よこぐも
)
を
白
(
しろ
)
くたなびかせて、もう
一叢
(
ひとむら
)
、
一段
(
いちだん
)
高
(
たか
)
く
森
(
もり
)
が
見
(
み
)
える。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
足許
(
あしもと
)
の
細流
(
せせらぎ
)
や、
一段
(
いちだん
)
颯
(
さっ
)
と
簾
(
すだれ
)
を落して流るるさえ、なかなかに花の色を薄くはせぬ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
襖一重
(
ふすまひとへ
)
は
一騎打
(
いつきうち
)
で、
座敷方
(
ざしきがた
)
では
切所
(
せつしよ
)
を
防
(
ふせ
)
いだ、
其處
(
そこ
)
の
一段
(
いちだん
)
低
(
ひく
)
いのも
面白
(
おもしろ
)
い。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一段”の意味
《名詞》
階段、地位、階級などの一つの段。
文章などの一くぎり。
《形容動詞》
一層。さらに。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
“一段”で始まる語句
一段落
一段幡連