“欵待”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんたい37.5%
もてなし25.0%
もてな18.8%
あしら6.3%
あしらひ6.3%
くわんたい6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
保はこれを忍んで数カ月間三人を欵待かんたいした。そして殆ど日々にちにち貞固を横山町の尾張屋に連れて往って馳走ちそうした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼は貴婦人のかたちふけりて、その欵待もてなしにとて携へ来つる双眼鏡を参らするをば気着かでゐたり。こは殿の仏蘭西フランスより持ち帰られし名器なるを、やうや取出とりいだしてすすめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
われは物語の昔日のあやまちに及ばんことをおもんぱかりしに、この御館みたちを遠ざかりたりしことをだに言ひ出づる人なく、老公は優しさ舊に倍して我を欵待もてなし給ひぬ。
別に馴染なじみの家もないので仕方なく淀文へ行くと、お珍しい、お久し振、お見限りと、変ったことのない欵待あしらいに貞之進も少しく胸を撫で、膳より先に小歌をと云うと、はいと女は下りて行ったが
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
出るや否や下に/\の制止せいし聲々こゑ/″\とゞこほりなく渡邊橋の旅館りよくわんにこそ歸りける今はたれはゞかる者はなく幕は玄關げんくわんひらめき表札は雲にもとゞくべく恰もあさひのぼるが如きいきほひなれば町役人まちやくにんどもは晝夜相詰あひつめいと嚴重げんぢう欵待あしらひなりさて御城代には御墨附おすみつきうつし并びに御短刀おたんたう寸法すんぱふこしらへ迄委敷くはしくしたゝ委細ゐさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「此頃は新橋ださうですね。若くつて綺麗ですから御無理もありませんけれどねえ。」お糸さんはこんなことを云つてしんから珍らしさうに欵待くわんたいした。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)