“欵”の読み方と例文
読み方割合
かん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信玄に威服していた連中は、後嗣の勝頼頼むに足らずとして、家康にかんを通ずるものが多い。その最たるものは、作手つくりて城主奥平貞昌父子だった。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
今の士相率きひて、媚を権門にれ、かんを要路に通ずるは、その求むるところ功名聞達ぶんたつよりも、むしろ先づ黄金を得んと欲するの心急なればなり。その境遇や憐れむべし。その志操や卑しむべし。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
またある党派のために一身をささげるようなことを外部に標榜ひょうぼうしながら、内部においてはひそかにかんを反対の党派に通ずることがあれば、これまた悪い意味における表裏のはなはだしきものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)