“落欵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らくくわん50.0%
らっかん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜深けと共にます/\明くなるやうに思はれる電燈の光で題書家の氏名と落欵らくくわんまでが餘す處なく讀まれる。たれあらう、維新改革者の一人たる元老の名である。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
その畫はラフアエロの「ヰオリノ」きの隣に懸けられたるを、われも記憶す。姫。さなり。そのラフアエロが落欵らくくわんの見苦しき彼圖の上邊にあるこそうらみなれ。
萌黄のまくの向うにある床の間の軸を判じようとしたけれど、何か南画の山水の横物らしいとは思えても、行燈が中にあるせいか外はもやもやとかげっていて、図柄も落欵らっかんもよく分らない。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
方々にかかっている額や看板でその落欵らっかんを覚えていた津田は「へええ」と云った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)