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欵待
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もてな
ふりがな文庫
“
欵待
(
もてな
)” の例文
われは物語の昔日の
過
(
あやまち
)
に及ばんことを
慮
(
おもんぱか
)
りしに、この
御館
(
みたち
)
を遠ざかりたりしことをだに言ひ出づる人なく、老公は優しさ舊に倍して我を
欵待
(
もてな
)
し給ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
暑い二階で彼等を
欵待
(
もてな
)
したが、小野田も彼等から、商売の資本でも引出し得るかのように言っているお島の
言
(
ことば
)
を信じて、そこへ出て
叮嚀
(
ていねい
)
な取扱い方をしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お
客
(
きやく
)
さまはお
二階
(
にかい
)
なりといふ
伴
(
ともな
)
はるゝ
梯子
(
はしご
)
の
一段
(
いちだん
)
又
(
また
)
一段
(
いちだん
)
浮世
(
うきよ
)
の
憂
(
う
)
きといふ
事
(
こと
)
知
(
し
)
らで
昇
(
のぼ
)
り
降
(
くだ
)
りせしこともありし
其時
(
そのとき
)
の
酌取
(
しやくと
)
り
女
(
をんな
)
我
(
わ
)
が
前
(
まへ
)
離
(
はな
)
れず
喋々
(
てふ/\
)
しく
欵待
(
もてな
)
したるが
彼
(
か
)
の
女
(
をんな
)
もし
居
(
を
)
らば
彌々
(
いよ/\
)
面目
(
めんぼく
)
なき
限
(
かぎ
)
りなり
其頃
(
そのころ
)
の
朋友
(
とも
)
今
(
いま
)
も
遊
(
あそ
)
びに
來
(
こ
)
んは
定
(
ぢやう
)
の
物
(
もの
)
何
(
なに
)
ぞのは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「私はこの病気が起ると、もうどうすることも出来ないんです。それに家も、これから夏は
閑
(
ひま
)
ですから、お
欵待
(
もてな
)
しをしようと思っても、そうそうは
為
(
し
)
きれないんです」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そう言って
極
(
きめ
)
つけそうな目をして、小野田は
疳癪
(
かんしゃく
)
が募って来るとき、いつもするように
口髭
(
くちひげ
)
の毛根を引張っていたが、調子づいて父親を
欵待
(
もてな
)
していた彼女に寝込まれたことが
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
欵
部首:⽋
11画
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
“欵”で始まる語句
欵冬
欵
欵乃
欵苳