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光
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ひかり
ふりがな文庫
“
光
(
ひかり
)” の例文
そして、
大空
(
おおぞら
)
からもれる
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
受
(
う
)
けていましたが、いつまでもひとところに、いっしょにいられる
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
ではなかったのです。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると
其時
(
そのとき
)
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
に
落
(
お
)
ちてゐた
外光
(
ぐわいくわう
)
が、
突然
(
とつぜん
)
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
變
(
かは
)
つて、
刷
(
すり
)
の
惡
(
わる
)
い
何欄
(
なにらん
)
かの
活字
(
くわつじ
)
が
意外
(
いぐわい
)
な
位
(
くらゐ
)
鮮
(
あざやか
)
に
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
光
(
ひかり
)
の中にかすかに人らしい
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えたので、
保名
(
やすな
)
はほっとして、
痛
(
いた
)
む
足
(
あし
)
をひきずりひきずり、
岩角
(
いわかど
)
をたどって
下
(
お
)
りて行きますと
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
油煙
(
ゆえん
)
がぼうつと
騰
(
あが
)
るカンテラの
光
(
ひかり
)
がさういふ
凡
(
すべ
)
てを
凉
(
すゞ
)
しく
見
(
み
)
せて
居
(
ゐ
)
る。
殊
(
こと
)
に
斷
(
た
)
ち
割
(
わ
)
つた
西瓜
(
すゐくわ
)
の
赤
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
は
小
(
ちひ
)
さな
店
(
みせ
)
の
第
(
だい
)
一の
飾
(
かざ
)
りである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見て居ると、其
夥
(
おびただ
)
しい
明光
(
あかり
)
が、さす息引く息であるかの様に
伸
(
の
)
びたり縮んだりする。其明りの中から時々
電
(
いなずま
)
の様な
光
(
ひかり
)
がぴかりと
騰
(
あが
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
桟橋
(
さんばし
)
に
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、がらんとした
大桟橋
(
だいさんばし
)
の
上屋
(
うはや
)
の
下
(
した
)
に、三つ四つ
卓子
(
テーブル
)
を
列
(
なら
)
べて、
税関
(
ぜいくわん
)
の
役人
(
やくにん
)
が
蝋燭
(
らふそく
)
の
光
(
ひかり
)
で
手荷物
(
てにもつ
)
の
検査
(
けんさ
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
「
死顔
(
しにがほ
)
」も「
黒
(
くろ
)
き
笑
(
わらひ
)
も」
泪
(
なみだ
)
にとけて、カンテラの
光
(
ひかり
)
のなかへぎらぎらときえていつた、
舞台
(
ぶたい
)
も
桟敷
(
さじき
)
も
金色
(
こんじき
)
の
波
(
なみ
)
のなかにたヾよふた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
眩
(
まぶ
)
しいものが一
閃
(
せん
)
、
硝子
(
ガラス
)
を
透
(
とほ
)
して
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
を
射
(
い
)
つた。そして一
瞬
(
しゆん
)
の
後
(
のち
)
、
小松
(
こまつ
)
の
枝
(
えだ
)
はもう
無
(
な
)
かつた。それは
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
に
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
斑點
(
はんてん
)
であつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
且
(
か
)
つ
其
(
そ
)
の
乘組
(
のりく
)
んだ
艦
(
ふね
)
の
帆柱
(
ほばしら
)
に、
夕陽
(
せきやう
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びて、一
羽
(
は
)
雪
(
ゆき
)
の
如
(
ごと
)
き
鷹
(
たか
)
の
來
(
きた
)
り
留
(
とま
)
つた
報
(
はう
)
を
受
(
う
)
け
取
(
と
)
つた
時
(
とき
)
、
連添
(
つれそ
)
ふ
身
(
み
)
の
民子
(
たみこ
)
は
如何
(
いか
)
に
感
(
かん
)
じたらう。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
改
(
あらた
)
めて
余
(
よ
)
は
茲
(
こゝ
)
に
言
(
い
)
ふ。
或
(
あ
)
る
意味
(
いみ
)
に
於
(
おい
)
ての
大怪窟
(
だいくわいくつ
)
が、
學術
(
がくじゆつ
)
の
光
(
ひかり
)
に
如何
(
どう
)
照
(
て
)
らされるであらうか。
深
(
ふか
)
き
興味
(
きようみ
)
を
以
(
もつ
)
て
此大發掘
(
このだいはつくつ
)
を
迎
(
むか
)
へざるを
得
(
え
)
ない。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
本船
(
ほんせん
)
より
射出
(
しやしゆつ
)
する
船燈
(
せんとう
)
の
光
(
ひかり
)
でチラと
認
(
みと
)
めたのは
其
(
その
)
船尾
(
せんび
)
に
記
(
しる
)
されてあつた「
海蛇丸
(
かいだまる
)
」の三
字
(
じ
)
、「
海蛇丸
(
かいだまる
)
」とはたしかにかの
船
(
ふね
)
の
名稱
(
めいしやう
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
詠
(
ながめ
)
やれば
遙
(
はるか
)
向ふに
燈火
(
ともしび
)
の光のちら/\と見えしに吉兵衞
漸
(
やう
)
やく
生
(
いき
)
たる
心地
(
こゝち
)
し是ぞ
紛
(
まが
)
ひなき人家ならんと又も
彼火
(
かのひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
目當
(
めあて
)
に
雪
(
ゆき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宗助
(
そうすけ
)
にはそれが
意外
(
いぐわい
)
であつた。
然
(
しか
)
し
大
(
たい
)
した
綺羅
(
きら
)
を
着飾
(
きかざ
)
つた
譯
(
わけ
)
でもないので、
衣服
(
いふく
)
の
色
(
いろ
)
も、
帶
(
おび
)
の
光
(
ひかり
)
も、
夫程
(
それほど
)
彼
(
かれ
)
を
驚
(
おどろ
)
かす
迄
(
まで
)
には
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人も、
厩
(
うまや
)
の馬も、寝しずまったころを、ここの一室では、
燭
(
しょく
)
の
光
(
ひかり
)
をあらためて、さあこれからと、杯を分け持つ
夜半
(
やはん
)
だった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧正
(
そうじょう
)
の
祈
(
いの
)
りの声と、ろうそくの
光
(
ひかり
)
と
香
(
こう
)
の
煙
(
けむり
)
のなかで、人形がうっとり笑いかけたとき、コスモとコスマの
眼
(
め
)
からは、
涙
(
なみだ
)
がはらはらと
流
(
なが
)
れました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ところが、
立派
(
りつぱ
)
な
光
(
ひかり
)
のあるはずの
鉢
(
はち
)
に
螢火
(
ほたるび
)
ほどの
光
(
ひかり
)
もないので、すぐに
註文
(
ちゆうもん
)
ちがひといつて
跳
(
は
)
ねつけられてしまひました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
若者
(
わかもの
)
も
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
はしました。
見
(
み
)
るが
中
(
うち
)
に
日
(
ひ
)
は
波間
(
なみま
)
を
離
(
はな
)
れ、
大空
(
おほぞら
)
も
海原
(
うなばら
)
も
妙
(
たへ
)
なる
光
(
ひかり
)
に
滿
(
み
)
ち、
老人
(
らうじん
)
と
若者
(
わかもの
)
は
恍惚
(
くわうこつ
)
として
此景色
(
このけしき
)
に
打
(
うた
)
れて
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
虹ヶ浜という駅の名は、
光
(
ひかり
)
となっていました。浜の様子は虹ヶ浜のあたりは大してちがいもないらしい様に見えました。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
けれども、やがて、そのみ
光
(
ひかり
)
に指をちょっとふれてみました。すると、その指がすっかり
金色
(
きんいろ
)
になってしまいました。
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
(ホ)
灌木帶
(
かんぼくたい
)
(
偃松帶
(
はひまつたい
)
)。 えぞまつやとゞまつの
針葉樹林
(
しんようじゆりん
)
を
出
(
で
)
てその
先
(
さき
)
へ
移
(
うつ
)
ると、
急
(
きゆう
)
に
光
(
ひかり
)
が
強
(
つよ
)
く、あたりはぱっと
明
(
あか
)
るくなつたような
氣
(
き
)
がします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
とつぜん
光
(
ひかり
)
のたばが
黄金
(
きん
)
の
矢
(
や
)
のように一
度
(
ど
)
にとんできました。
子
(
こ
)
どもらはまるでとびあがるくらいかがやきました。
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さる
子細
(
しさい
)
あればこそ
此處
(
こゝ
)
の
流
(
なが
)
れに
落
(
おち
)
こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ
串談
(
じようだん
)
に
其日
(
そのひ
)
を
送
(
おく
)
つて
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
ぴつかりとする
斗
(
ばかり
)
、
人
(
ひと
)
の
涕
(
なみだ
)
は百
年
(
ねん
)
も
我
(
が
)
まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
陽
(
ひ
)
は
高々
(
たかだか
)
と
昇
(
のぼ
)
っているらしく、
今
(
いま
)
さら
気付
(
きづ
)
いた
雨戸
(
あまど
)
の
隙間
(
すきま
)
には、なだらかな
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
吹矢
(
ふきや
)
で
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
んだように、こまいの
現
(
あらわ
)
れた
壁
(
かべ
)
の
裾
(
すそ
)
へ
流
(
なが
)
れ
込
(
こ
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
泥棒
(
どろぼう
)
が
監獄
(
かんごく
)
をやぶつて
逃
(
に
)
げました。
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
をたよりにして、
山
(
やま
)
の
山
(
やま
)
の
山奥
(
やまおく
)
の、やつと
深
(
ふか
)
い
谿間
(
たにま
)
にかくれました。
普通
(
なみ
)
、
大抵
(
たいてい
)
の
骨折
(
ほねを
)
りではありませんでした。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
光
(
ひかり
)
の中につらつら
御気色
(
みけしき
)
を見たてまつるに、
朱
(
あけ
)
をそそぎたる
竜顔
(
みおもて
)
に、
一二八
荊
(
おどろ
)
の
髪
(
かみ
)
膝
(
ひざ
)
にかかるまで乱れ、
白眼
(
しろきまなこ
)
を
吊
(
つ
)
りあげ、
熱
(
あつ
)
き
嘘
(
いき
)
をくるしげにつがせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
しかし
人間
(
にんげん
)
の
至誠
(
しせい
)
と
申
(
もう
)
すものは、
斯
(
こ
)
うした
場合
(
ばあい
)
に
大
(
たい
)
した
働
(
はたら
)
きをするものらしく、くしびな
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
が
私
(
わたくし
)
から
娘
(
むすめ
)
に、
娘
(
むすめ
)
から
小供
(
こども
)
へと一
道
(
だう
)
の
光
(
ひかり
)
となって
注
(
そそ
)
ぎかけ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
内には
遠侍
(
とほざむらひ
)
のあなたより、遙か
對屋
(
たいや
)
に沿うて樓上樓下を照せる銀燭の光、錦繍の
戸帳
(
とちやう
)
、龍鬢の板疊に輝きて、さしも廣大なる西八條の
館
(
やかた
)
に
光
(
ひかり
)
到らぬ
隈
(
くま
)
もなし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
眼には一
種
(
しゆ
)
他
(
ひと
)
を
魅
(
チヤーム
)
する強い力があツた………とは謂へ他の胸を射すやうな
烈
(
はげ
)
しい
光
(
ひかり
)
の
閃
(
ひらめ
)
くのでも何でもない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
本尊の阿弥陀様の
御顔
(
おかほ
)
は暗くて拝め無い、
唯
(
たヾ
)
招喚
(
せうくわん
)
の
形
(
かたち
)
を
為給
(
したま
)
ふ右の
御手
(
おて
)
のみが
金色
(
こんじき
)
の
薄
(
うす
)
い
光
(
ひかり
)
を
示
(
しめ
)
し給うて居る。貢さんは内陣を出て四畳半の自分の部屋に
入
(
はい
)
つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「
瓢
(
ひよう
)
空
(
むなし
)
く
夜
(
よ
)
は
静
(
しづか
)
にして高楼に
上
(
のぼ
)
り、酒を買ひ、
簾
(
れん
)
を巻き、月を
邀
(
むか
)
へて
酔
(
ゑ
)
ひ、
酔中
(
すいちゆう
)
剣
(
けん
)
を払へば
光
(
ひかり
)
月
(
つき
)
を射る」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
光文社発行の雑誌「
光
(
ひかり
)
」第四巻第七八号に「緑蔭鼎談」と題し、伊豆熱海の緑風閣で催された長谷川如是閑、志賀直哉並に
天野貞祐
(
あまのていゆう
)
三君の座談会記事が掲げてあった。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
其有耶無耶
(
そのうやむや
)
になつた
腦裏
(
なうり
)
に、
猶
(
なほ
)
朧朦氣
(
おぼろげ
)
に
見
(
み
)
た、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
輝
(
てら
)
し
出
(
だ
)
されたる、
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
のやうな
此
(
こ
)
の
室
(
へや
)
の
人々
(
ひと/″\
)
こそ、
何年
(
なんねん
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
く、
恁
(
かゝ
)
る
憂目
(
うきめ
)
に
遭
(
あ
)
はされつゝ
有
(
あ
)
りしかと
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
火山
(
かざん
)
の
噴出物
(
ふんしゆつぶつ
)
は
固體
(
こたい
)
の
他
(
ほか
)
に
多
(
おほ
)
くの
氣體
(
きたい
)
がある。
水蒸氣
(
すいじようき
)
は
勿論
(
もちろん
)
、
炭酸瓦斯
(
たんさんがす
)
、
水素
(
すいそ
)
、
鹽素
(
えんそ
)
、
硫黄
(
いおう
)
からなる
各種
(
かくしゆ
)
の
瓦斯
(
がす
)
があり、
或
(
ある
)
ものは
燃
(
も
)
えて
青
(
あを
)
い
光
(
ひかり
)
を
出
(
だ
)
したともいはれてゐる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「やっぱり、「
光明
(
コウメイ
)
」に張るわ。
光
(
ひかり
)
という字が、気に入ったよ。……豆八ッあん、はい、二円」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
冷
(
つめ
)
たい
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
射
(
さ
)
されて、
人目
(
ひとめ
)
に
掛
(
かゝ
)
らぬ
石
(
いし
)
の
中
(
なか
)
に
封込
(
ふうじこ
)
められた
蟾蜍
(
ひきがへる
)
の
如
(
ごと
)
く、わが
身
(
み
)
は
醜
(
みにく
)
い
鉱皮
(
くわうひ
)
の
下
(
した
)
に
押
(
お
)
し
籠
(
こ
)
められてゐる
時
(
とき
)
、ほかの
人
(
ひと
)
たちは
清浄
(
しやうじやう
)
な
肉身
(
にくしん
)
で
上天
(
じやうてん
)
するのだらう。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
あぶら
火
(
び
)
の
光
(
ひかり
)
に
見
(
み
)
ゆる
我
(
わ
)
が
縵
(
かづら
)
さ
百合
(
ゆり
)
の花の
笑
(
ゑ
)
まはしきかも 〔巻十八・四〇八六〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「
昔
(
むかし
)
、
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
から、
金
(
きん
)
の
光
(
ひかり
)
がさしたという
話
(
はなし
)
があるが、どうだ、
小判
(
こばん
)
でも
落
(
お
)
ちていたか。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しかしそれも、けっして
理
(
り
)
くつらしくは
出
(
で
)
てをらずに、このほがらかな
調子
(
ちようし
)
に、
玉
(
たま
)
のように
包
(
つゝ
)
まれて、たゞ
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に、
及
(
およ
)
び
雁
(
かり
)
の
列
(
れつ
)
に
動
(
うご
)
かされた
氣分
(
きぶん
)
として、
胸
(
むね
)
に
觸
(
ふ
)
れて
來
(
き
)
ます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
おもえば、
福沢諭吉
(
ふくざわゆきち
)
こそ、
民主主義
(
みんしゅしゅぎ
)
の
光
(
ひかり
)
をかかげた、
明治
(
めいじ
)
の
大
(
おお
)
きなともしびでありました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
我
(
わ
)
れ
主
(
しゆ
)
に
倚
(
よ
)
り、
主
(
しゆ
)
我
(
わ
)
れに
宿
(
やど
)
る
時
(
とき
)
は我は
勉
(
つと
)
めずして光を
放
(
はな
)
つなり、而して
世
(
よ
)
は
我
(
われ
)
より出る
主
(
しゆ
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
て
我
(
われ
)
を
信
(
しん
)
ぜずして
主
(
しゆ
)
を
信
(
しん
)
ずるに
至
(
いた
)
る、
是
(
こ
)
れ
余
(
よ
)
の
信
(
しん
)
ずる
基督教的
(
きりすとけうてき
)
伝道
(
でんだう
)
なる者なり。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
〔ヱヴェレストは
思
(
おも
)
つたより
遠
(
とほ
)
いな〕と
独言
(
ひとりごと
)
しながら
四辺
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
すと、
薄
(
うす
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
美
(
うつく
)
しく
妖
(
あや
)
しく
漲
(
みなぎ
)
つて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
近
(
ちか
)
くなつたのだらう。
下界
(
した
)
を
見
(
み
)
ても、
雲
(
くも
)
や
霧
(
きり
)
でまるで
海
(
うみ
)
のやうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
而
(
しか
)
も、その
暗記
(
あんき
)
の
仕方
(
しかた
)
といふのが、
先
(
ま
)
づ
日光
(
につくわう
)
の
中
(
なか
)
で、
次
(
つぎ
)
は
曇
(
くも
)
り
日
(
び
)
、
次
(
つぎ
)
は
夕方
(
ゆふがた
)
、
次
(
つぎ
)
は
電燈
(
でんとう
)
、
結局
(
けつきよく
)
最後
(
さいご
)
に
蝋燭
(
らふそく
)
の
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
でといふ
風
(
ふう
)
に
明暗
(
めいあん
)
の
順序
(
じゆんじよ
)
を
追
(
お
)
つて
眼
(
め
)
を
慣
(
な
)
らしながら
研究
(
けんきう
)
暗記
(
あんき
)
し
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ロレ ほい、
其許
(
そのもと
)
か! さらば
問
(
と
)
はうが、あしこのあの
炬火
(
たいまつ
)
は、ありゃ
何
(
なん
)
でおじゃる、
蛆蟲
(
うじむし
)
や
目
(
め
)
も
無
(
な
)
い
髑髏
(
どくろ
)
を
空
(
むな
)
しう
照
(
てら
)
すあの
光
(
ひかり
)
は? かう
見
(
み
)
たところ、カペル
家
(
け
)
の
廟舍
(
たまや
)
の
前
(
まへ
)
ぢゃが。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
我国の
雪意
(
ゆきもよひ
)
は
暖国
(
だんこく
)
に
均
(
ひと
)
しからず。およそ九月の
半
(
なかば
)
より霜を
置
(
おき
)
て寒気
次第
(
しだい
)
に
烈
(
はげし
)
く、九月の末に
至
(
いたれ
)
ば
殺風
(
さつふう
)
肌
(
はだへ
)
を
侵入
(
をかし
)
て
冬枯
(
ふゆがれ
)
の
諸木
(
しよぼく
)
葉
(
は
)
を
落
(
おと
)
し、
天色
(
てんしよく
)
霎
(
せふ/\
)
として日の
光
(
ひかり
)
を
看
(
み
)
ざる事
連日
(
れんじつ
)
是雪の
意
(
もよほし
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ハルミが、べっとりと
唇紅
(
くちべに
)
のついた吸いかけの
光
(
ひかり
)
を置いて、立って行った。
睡魔
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
……
彼
(
か
)
の
幽暗
(
ほのくら
)
き
路次
(
ろじ
)
の
黄昏
(
たそがれ
)
の
色
(
いろ
)
は、
今
(
いま
)
も
其処
(
そこ
)
を
通
(
とほ
)
る
毎
(
ごと
)
に、
我等
(
われら
)
が
最初
(
さいしよ
)
の
握手
(
あくしゆ
)
の、
如何
(
いか
)
に
幸福
(
かうふく
)
なりしかを
語
(
かた
)
り
申候
(
まをしそろ
)
。
貴女
(
きぢよ
)
は
忘
(
わす
)
れ
給
(
たま
)
はざるべし、
其時
(
そのとき
)
の
我等
(
われら
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
照
(
てら
)
せる
唯
(
たゞ
)
一つの
軒燈
(
けんとう
)
の
光
(
ひかり
)
を……
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
その顔は、
金色
(
こんじき
)
の
靄
(
もや
)
のなかに
沈
(
しず
)
んでゆく
夕日
(
ゆうひ
)
の残りの
光
(
ひかり
)
に照らされていた。クリストフの言葉は
喉
(
のど
)
もとにつかえた。ゴットフリートは目を
半
(
なか
)
ばとじ、口を少しあけて、ぼんやり
微笑
(
ほほえ
)
んでいた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
温
(
あたたか
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
や、そよ
風
(
かぜ
)
が
戸
(
と
)
の
隙間
(
すきま
)
から
毎日
(
まいにち
)
入
(
はい
)
る
様
(
よう
)
になり、そうなると、
子家鴨
(
こあひる
)
はもう
水
(
みず
)
の
上
(
うえ
)
を
泳
(
およ
)
ぎたくて
泳
(
およ
)
ぎたくて
堪
(
たま
)
らない
気持
(
きもち
)
が
湧
(
わ
)
き
出
(
だ
)
して
来
(
き
)
て、とうとう
牝鶏
(
めんどり
)
にうちあけてしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
縁端
(
えんはた
)
には篠田が
悠然
(
いうぜん
)
と腰打ち掛けて、朝日の
光
(
ひかり
)
輝く峯の白雲
眺
(
なが
)
めつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ことに
光
(
ひかり
)
の
反射
(
はんしゃ
)
とか
屈折
(
くっせつ
)
とかが、ぼくの
興味
(
きょうみ
)
をとらえてしまったんだ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
“光”の意味
《名詞》
(ひかり) 電磁波で、人の目に達して感覚(視覚)を生ずるもの。おおよそ短波長側が360nm~400nm、長波長側が760nm~830nmの範囲にある。可視光線。
(出典:Wiktionary)
光
常用漢字
小2
部首:⼉
6画
“光”を含む語句
光景
日光
光明
月光
白光
光線
火光
光沢
曙光
眼光
金光
電光
陽光
光彩
夜光珠
光輝
燈光
雷光
光栄
微光
...