“余光”のいろいろな読み方と例文
旧字:餘光
読み方割合
よくわう44.4%
なごり22.2%
あおり11.1%
ひかり11.1%
よこう11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白猿はくゑん余光よくわう抱一はういつ不白ふはくなどのもとへも立入たちいるやうになり、香茶かうちや活花いけばなまで器用であはせ、つひ此人このひとたちの引立ひきたてにて茶道具屋ちやだうぐやとまでなり、口前くちまへひとつで諸家しよけ可愛かあいがられ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
西の空は夕日の余光なごりが水のようにえて、山々は薄墨の色にぼけ、あおい煙が谷や森のすそに浮いています、なんだかうら悲しくなりました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
盲目の身の燈火ともしびはいらず、部屋の中はほとんど闇であったが、金網をかけた火鉢があって、そこで炭火が盛んにおこっていて、その余光あおりで頼春のこけた頬と、窪んでいる眼との寂しい顔が
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
頼んで置いた車がしとて此処ここからして乗り出せば、家中うちぢう表へ送り出してお出を待まするの愛想、御祝義の余光ひかりとしられて、あとには力ちやん大明神様これにも有がたうの御礼山々。
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夕日はもうまったく沈んで、対岸の土手にかすかにその余光よこうが残っているばかり、先ほどの雲の名残りと見えるちぎれ雲は縁を赤く染めてその上におぼつかなく浮いていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)