燈光ひかり)” の例文
新字:灯光
こっちの部屋から流れこんで行く燈光ひかりで、その部屋はぼっと明るかったが、その底に濃紫こむらさき斑點しみかのように、お八重は突っ伏して泣いていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほとんど闇黒やみ全體ぜんたいつゝまれてつたが、わたくし一念いちねんとゞいて幾分いくぶ神經しんけいするどくなつたためか、それともひとみやうや闇黒あんこくれたためか、わたくしからうじてその燈光ひかり主體ぬしみと途端とたん
幾台か立ててある燭台から、華やかな燈光ひのひかりが射し出ていて、この部屋は美しく明るかったが、その燈光ひかりに照らされながら、森々と廻っている独楽の面へ、白く文字が現われた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
水盤のおもて燈光ひかりを受けて、磨いた銅板のそれのような、気味の悪い光に輝いていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)