“天界”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんかい50.0%
てんがい50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丹羽昌仙は、ためいきついて、つぶやいたが、急に、ヒラリと庭さきへでて、じッと、十方の天界てんかいをみつめだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、かれらのなかには、まれには、学者がくしゃのおちぶれも、まじっていますので、およびもつかない天界てんかいのことや、または吉凶きっきょう予言よげんみたいなことまでももうしあげます。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
まずこの力を破らなければ、おお、南無大慈大悲の泥烏須如来デウスにょらい! 邪宗じゃしゅう惑溺わくできした日本人は波羅葦増はらいそ天界てんがい)の荘厳しょうごんを拝する事も、永久にないかも存じません。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何もかも——さびを帯びた金色こんじきの仏壇、生気の無いはす造花つくりばな、人の空想を誘ふやうな天界てんがい女人によにんの壁にかれた形像かたち、すべてそれらのものは過去すぎさつた時代の光華ひかり衰頽おとろへとを語るのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)