天界てんがい)” の例文
まずこの力を破らなければ、おお、南無大慈大悲の泥烏須如来デウスにょらい! 邪宗じゃしゅう惑溺わくできした日本人は波羅葦増はらいそ天界てんがい)の荘厳しょうごんを拝する事も、永久にないかも存じません。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何もかも——さびを帯びた金色こんじきの仏壇、生気の無いはす造花つくりばな、人の空想を誘ふやうな天界てんがい女人によにんの壁にかれた形像かたち、すべてそれらのものは過去すぎさつた時代の光華ひかり衰頽おとろへとを語るのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)