トップ
>
陽光
>
ひかり
ふりがな文庫
“
陽光
(
ひかり
)” の例文
峰の斜面は
陽光
(
ひかり
)
を受けて虹のように
燦然
(
さんぜん
)
と輝き返り、その
岨道
(
そばみち
)
を大鹿の群が脚並み軽く走ってはいるが、人の姿は影さえもない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その間からアセチリン
瓦斯
(
がす
)
がぶくぶくと泡を噴いた。泡は真夏の烈しい
陽光
(
ひかり
)
の中できらきらと光ったりしては消えた。
街底の熔鉱炉
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
口腔をだらしもなく
虚空
(
こくう
)
に向けて歯をむき出し、二つの鼻腔から吐き出す太い二本の煙の棒で澄明な
陽光
(
ひかり
)
を粉砕した。
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
門の傍の教會、路、靜寂な丘、すべては秋の日の
陽光
(
ひかり
)
の中に靜かにやすんでゐる。地平線は眞珠色の大理石模樣をした、快晴の青空に限られてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
小春日和
(
こはるびより
)
ともいうべき暖かい日でして、私たちは午後の
陽光
(
ひかり
)
を浴びながら、釣り竿を担いで色々の話に笑い興じ、元気のよい歩調で野道を歩いてゆきました。
白痴の知恵
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
わけてもこの『ミュゼット』の飛躍的な美しさは、燦々として
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に降る春の
陽光
(
ひかり
)
のようでもあり、珠玉の飛泉のほとりに、
羽衣霓裳
(
ういげいしょう
)
をかかげて踊る天女の群れのようでもある。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
死体は草の間にうつ伏せになって、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
からの
陽光
(
ひかり
)
が斑に当っていた。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
生の争闘を争闘せる人々の剣戟の音を聴きつゝ、私は遥かなる森の廃寺の前に立つて、老木の梢に梟の声を聴き、またはかげらふ
正午
(
まひる
)
の
陽光
(
ひかり
)
を浴びつゝ怠惰な安易を貪つてゐるのではないだらうか。
沈黙の扉
(新字旧仮名)
/
吉田絃二郎
(著)
昨日今日の
日和
(
ひより
)
に、冬の
名残
(
なごり
)
が
冷
(
ひ
)
んやりと
裸体
(
からだ
)
に感ぜられながらも、高い
天井
(
てんじょう
)
から
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む
眩
(
まぶ
)
しい
陽光
(
ひかり
)
を、
恥
(
はずか
)
しい程全身に浴びながら、
清澄
(
せいちょう
)
な
湯槽
(
ゆぶね
)
にぐったりと身を
横
(
よこた
)
えたりする間の、疲れというか
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
肉出来の珊瑚樹かとも、射し入る
陽光
(
ひかり
)
を厭ひます。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
陽光
(
ひかり
)
に
廻
(
めぐ
)
る花々や
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
卵色の
陽光
(
ひかり
)
が窓から射して、しんと静かな画廊へ来た時、たった一匹だけ
毒蛇
(
コブラ
)
を描いた小さい額を見付けました。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
長い白い
髭
(
ひげ
)
を垂れて日当たりのいい南の廊下で、暖かい
陽光
(
ひかり
)
を浴びて咲き輝いている鉢植えの福寿草を前に、老眼鏡をかけて新聞を読んでいるのや、北海道辺の新開地の農夫が
季節の植物帳
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
陽光
(
ひかり
)
の中にて彼眠る、片手を静かな胸に置き
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
射し込んでいる
陽光
(
ひかり
)
は、地上へ、大小の、円や方形の、
黄金色
(
こがねいろ
)
の光の斑を付け、そこへ萠え出ている、
菫
(
すみれ
)
や
土筆
(
つくし
)
や
薺
(
なずな
)
の花を、細かい宝石のように輝かせ、その
木洩
(
こも
)
れ
陽
(
び
)
の
通
(
かよ
)
い
路
(
じ
)
の空間に
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
郷里
(
ふるさと
)
を
憧
(
あこが
)
れ、春の
陽光
(
ひかり
)
を待ちわびている孤独な人達が、そろそろ雪が消えて、
斑
(
まば
)
らに
地肌
(
ぢはだ
)
が見えかけて来た時、
雪間
(
ゆきま
)
がくれに福寿草の咲いているのを見たら、どんなによろこぶことでしょう。
季節の植物帳
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
家の
背後
(
うしろ
)
で、冬の
陽光
(
ひかり
)
を浴びる時、彼は
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
そして崩れ切った谷底には大河が流れているらしいが水は氷に
鎖
(
と
)
ざされて木の間を洩れて
射
(
さ
)
す
陽光
(
ひかり
)
にわずかにキラキラと輝くばかり、谷を隔てた向こうの峰までは三町余りもあるだろうか
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“陽光”の意味
《名詞》
陽 光(ようこう)
太陽の光。
(出典:Wiktionary)
“陽光(
太陽光
)”の解説
太陽光(たいようこう、en: sunlight)とは、太陽が放つ光である。日光(にっこう)とも言う。地球においては生物の営みや気候その他自然現象に根幹的に影響を与えている。人類は、太陽の恵みとも言われる日の光を享受し、古代より共存し発展してきた。
(出典:Wikipedia)
陽
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
光
常用漢字
小2
部首:⼉
6画
“陽”で始まる語句
陽
陽炎
陽気
陽氣
陽溜
陽脚
陽焦
陽火
陽射
陽暦