“木洩”の読み方と例文
読み方割合
こも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大廂おおびさしから木洩こもれ陽の射す廊下を横に、ずらりとそこに居並んでいる顔ぶれを見ると、何と、越前守の知らない顔ぶれは一つもない。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また高い天蓋の隙間から幾つもの偶然を貫いて陰濕なくさむらへ屆いて來る木洩こもは掌のやうな小宇宙を寫し出した。しかし木洩れ陽程氣まぐれなものはない。
闇への書 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
雨は三日まえからあがったままで、林の中の水をたっぷり吸った土には、木洩こも斑点はんてんになってゆらぎ、檜の若葉がせるほどつよく、しかし爽やかに匂っていた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)