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燈火
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ひ
ふりがな文庫
“
燈火
(
ひ
)” の例文
新字:
灯火
明るく
燈火
(
ともしび
)
が
燈
(
と
)
もってい、食べ散らし飲み散らした盃盤が、その
燈火
(
ひ
)
に照らされて乱雑に見え、二人ながらいい加減酔っているらしい。
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日はとっぷり暮れたが月はまだ登らない、時田は
燈火
(
ひ
)
も
点
(
つ
)
けないで片足を敷居の上に延ばし、柱に
倚
(
よ
)
りかかりながら、
茫然
(
ぼんやり
)
外面
(
そと
)
をながめている。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
樓に上つて欄によると、湖を
壓
(
あつ
)
して立つてゐる筈の
男體山
(
なんたいざん
)
もぼんやりとして、近き對岸の家々の
燈火
(
ひ
)
も霧のさつと風に拂はれる時は點々と明るく、霧のおほひかゝる時は忽ち薄れ忽ち見えずなつた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
日野資朝卿の館の
燈火
(
ひ
)
が、いかさまこの時不意に消えて、その上そこから叫び声や喚声が、風に乗って聞こえて来た。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、握っていた薄刃物を、天井から宙へ下がっている、
唐土
(
からくに
)
渡りらしい飾りのついた、切り子形の
龕
(
がん
)
の
燈火
(
ひ
)
にかざしながら、医師は決心したように云った。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
「そうとも、苦痛のことではないよ。いや苦痛の反対だ」ここでその武士は腕を組んで、考えるように首を
傾
(
かし
)
げた。で、左の半面が、
燈火
(
ひ
)
の光にそむくようになった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
甚内はちょっと
躊躇
(
ためら
)
ったが、場合が場合なので案内も乞わず
燈火
(
ひ
)
のある座敷へつかつかと行った。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
燈火
(
ひ
)
の光を四方から浴び、無駄話している荻野八重梅、年の頃は二十六七、あぶらの乗った年増盛り、どっちかと云うと痩せぎすだが、それだけ抜けるほど姿がいい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
おりから春の朧月が苑内の
樹立
(
こだち
)
や湖を照らし紗の
薄衣
(
うすもの
)
でも纒ったように大体の景色を
﨟
(
ろう
)
たけて見せ、諸所に聳えている宮殿の窓から
垂帳
(
たれまく
)
を通して
零
(
こぼ
)
れる
燈火
(
ひ
)
が花園の花木を朧ろに染め
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
燈火
(
ひ
)
をつけましょう、お待ち遊ばせ」こう云ったのは鷺組のお絹、懐中から何か出したらしい。カチカチと金具の音がした。と、
燧
(
ひうち
)
石の音がした。ボ——ッと火光が部屋を照らした。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
勝手元一杯に漲っていた、明るい
燈火
(
ひ
)
がカッと一瞬間、一所へ集まり閃めいた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
燈火
(
ひ
)
をなつかしむ人情からであろう、九十郎と織江とはその後に従いた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(あの
燈火
(
ひ
)
の見えるあそこのお
家
(
うち
)
に、乳の出る人がいてくれればよいが)
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その建物と主殿とを繋いで、長い廻廊が出来ていたが、その廻廊に青い
燈火
(
ひ
)
が、一点ユラユラと揺れながら、建物の方へ進んで行く。一人の
侍女
(
こしもと
)
が
雪洞
(
ぼんぼり
)
をささげて、廻廊を進んで行くのであった。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
燈火
(
ひ
)
が映り栄えて輝いている様は、きらびやかで美しく、そういう座敷の正面に、嵯峨野を描いた極彩色の、土佐の双幅のかけてある床の間、それを背にして年は六十、半白の髪を切下げにし
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
燈火
(
ひ
)
がともされる時刻となった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
燈
部首:⽕
16画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“燈火”で始まる語句
燈火占
燈火台
燈火節
燈火信号
燈火管制