宝石いし)” の例文
旧字:寶石
「一・半カラットは十分にあるんですからな。それに、尤も、そっちの方が眼が黒いでしょうが、宝石いしそのものには、キズやナミは絶対にないです」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ごく小さな金の盒であったが、これにも何か宝石いしちりばめてあると見えて、煌々きらきらと輝いていた。「右がマハラージャです」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
名も知らないような宝石たまが両の手のどの指にもきらめいているのだ、袖口がゆれると腕輪の宝石いしが目を射る、胸もとからは動くとちらちらと金の鎖がゆれて見える。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「そこなんだ。宝石いしが、たまたま出るとそれを持ち逃げして追手を避け避け、外国船に売り込む……。いや、あれがそうだとは、必ずしも云わんよ。しかし、万事こうしたことは、カン一つだからね」
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
めぐみの宝石いしはきょうもらず
なぜあんな高価なものを持って歩く? すぐ、犯人がつかまったからよいけれど、もし宝石いしをバラバラにしてこかされたら、それりじゃないか。金庫へでもしまッとけ。ばか!
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「本当にね、いい宝石いしだね」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
十力じゅうりき宝石いしちざれば