“おいし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
美味69.6%
甘味8.7%
6.5%
4.3%
佳味2.2%
旨味2.2%
滋味2.2%
甘美2.2%
生石2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あやし気な日本語で会釈して、巨大おおきな手で赤い小さな百合形ゆりがたの皿を抱えたが、それでも咽喉のどが乾いていたと見えて美味おいしそうにすすり込んだ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あゝ風情ふぜいとも、甘味おいしさうとも——その乗出のりだして、銀杏返ゐてふがへし影法師かげばふし一寸ちよつとしづまつたのをばうとした。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「大変おいしい御茶でした事。あなた、まだ御這入おはいりになった事はないの」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
村「あら、参りませんと叱られますから来ない訳には参りません、旦那様は大恩人ですから斯う云う時に御恩返しをして上げろと申し、わたくしも来たいからおいしくなくっても何か拵えてお邪魔に上ります」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
連雀れんじゃくの藪蕎麦が近いから、あの佳味おいしいので一銚子、と言われて涙を流した。親身の情……これが無銭ただである。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旨味おいし南瓜かぼちゃを食べさせないと云っては、おはちの飯に醤油しょうゆけて賄方まかないかたいじめたり、舎監のひねくれた老婦の顔色を見て、陰陽かげひなたに物を言ったりする女学生の群の中に入っていては
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
どうせ歌ちゃんも一緒でしょうお椀の滋味おいしいのか何かと、両女ふたりが笑う間に纒まって婢は立去った、椀来り、鳥来り、小歌と向い合いに膳をならべた貞之進は、それが今連立って歩いた時よりも
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
その中からチョコレートを出して、ゆき子は、腹這はらばつたまゝじつた。少しも甘美おいしくはなかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
有田郡奥山村の白山社を生石おいし神社に併せ、社趾の立木売却二千五百円を得、合祀費用三百五十円払いて、残り二千百五十円行方不明、石磴いしだん、石燈籠、手水鉢等はことごとく誰かの分捕りとなる。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)