“うまい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウマイ
語句割合
熟睡56.3%
甘味6.3%
甘寐3.1%
甘寢3.1%
味宿3.1%
味眠3.1%
好味3.1%
巧妙3.1%
熟寐3.1%
甘寝3.1%
甘眠3.1%
甘睡3.1%
美味3.1%
高味3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いわば、長夜の臥床ふしどからさめようとする直前、一段深く熟睡うまいに落ち込む瞬間がある。そうした払暁あさのひとときだった。
「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々やわやわとしてあぶらが滴る……甘味うまいぞのッ。」
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこでも甘寐うまいの安さを貪ることは出来ずに
いと深き甘寐うまいさちを護りて
瑪瑙めなう甘寢うまい、「にるばな」よ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
あやも濃き花の甘寢うまい
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ひと味宿うまいずてしきやしきみすらをりてなげくも 〔巻十一・二三六九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
こういういい方は、憶良の、「たらちしの母が目見ずて」(巻五・八八七)はじめ、他にも例があり、なお、「人の寝る味眠うまいは寝ずて」(巻十三・三二七四)等の用例を参考とすることが出来る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
塩鰹しおかつおが非常に好味うまいといったので、その主人が、それなら、まだ残っているこの片身を持ってきたまえというので、それを新聞紙に包んでもらって、片手にげながらやってくると
狸問答 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
わたくしだつて、其樣そんな無鐵砲むてつぽうことはない、この工夫くふうは、大佐閣下たいさかくか仲々なか/\巧妙うまい感心かんしんなすつたんです。』と意氣いき昂然こうぜんとして
蝙蝠かはほりをなおそれそ。かなたこなたへ飛びめぐれど、入るものにはあらず。神の子と共に熟寐うまいせよ。斯く云ひをはりて、をぢは戸をぢて去りぬ。
「いと深き甘寝うまいさちを護りて、月のまたき光華は上にいませり」を思い出していた。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
塵とあくた甘眠うまいせむ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
甘睡うまいよ、をぐらき、ふかき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
不味まずい物ばかり食っていると、肉放れがして痩せてしまう。美味うまい物を食え美味物を」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こは当楼の後ろの大薮に数年すねんすんでいる狸の所為しわざにて、毎度この高味うまいものをしてやらるると聞き、始めてばかされたと気がついて、はては大笑いをしたが、化物ばけものと直接応対したのは、自分ばかりであろうと
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)