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うまい
ふりがな文庫
“
熟睡
(
うまい
)” の例文
「
昨夜
(
ゆうべ
)
は
太
(
いと
)
う
軍
(
いくさ
)
のことに胸なやませていた
体
(
てい
)
じゃに、さてもここぞまだ
児女
(
わらわ
)
じゃ。今はかほどまでに
熟睡
(
うまい
)
して、さばれ、いざ呼び起そう」
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
いわば、長夜の
臥床
(
ふしど
)
からさめようとする直前、一段深く
熟睡
(
うまい
)
に落ち込む瞬間がある。そうした
払暁
(
あさ
)
のひとときだった。
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蛙をたべて、蛙の唄をききながら
熟睡
(
うまい
)
におちる宵が、蚊帳のなかに夜ごと健康をはこんでくるのを、わたしは夢まくらで識つてゐた。とりわけ打算的な睡り。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
はげしき
雷
(
いかづち
)
はわが
頭
(
かうべ
)
のうちなる
熟睡
(
うまい
)
を破れり、我は力によりておこされし人の如く我にかへり 一—三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
貴殿が
輿
(
こし
)
で行かれるなら我らも輿で追っかけ申す——またもし旅宿へ泊まられるなら同じ旅宿へ我らも泊まり、貴殿に
熟睡
(
うまい
)
はさせますまい——こうと決心したからには
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
熟睡
(
うまい
)
の窓に
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
の 罪逃がれにし人の子を 虚無の夢路にさゝやきて
聖
(
きよ
)
き記憶を呼びさませ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
その薬法は
予
(
かね
)
て記して置いたが、それよりも、眠り薬を巧みに用いれば、
宿直
(
とのい
)
の者も
熟睡
(
うまい
)
して、その前を大手を振って通っても見出されぬ。つまり姿を消したも同然じゃ。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
年久く
飼
(
かは
)
るる
老猫
(
ろうみよう
)
の
凡
(
およ
)
そ
子狗
(
こいぬ
)
ほどなるが、棄てたる雪の
塊
(
かたまり
)
のやうに
長火鉢
(
ながひばち
)
の
猫板
(
ねこいた
)
の上に
蹲
(
うづくま
)
りて、前足の
隻落
(
かたしおと
)
して
爪頭
(
つまさき
)
の灰に
埋
(
うづも
)
るるをも知らず、
齁
(
いびき
)
をさへ
掻
(
か
)
きて
熟睡
(
うまい
)
したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そこでは、煙管を銜へて坐つてゐる見張番の他は、皆ぐつすりと郎党たちが
熟睡
(
うまい
)
してゐた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
馬
(
ま
)
ぐさ
小屋
(
ごや
)
の中の高いびきは、
定
(
さだ
)
めし
心地
(
ここち
)
よい
熟睡
(
うまい
)
におちているだろう。お
長屋
(
ながや
)
の
灯
(
ひ
)
もみんな
消
(
き
)
えて、
卜斎
(
ぼくさい
)
の家のなかも、
主
(
あるじ
)
のこえなく、
客
(
きゃく
)
の
笑
(
わら
)
いもたえて、シンとしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中
(
うち
)
の様子を
窺
(
うかが
)
ふに、ただ暗うして
確
(
しか
)
とは知れねど、奥まりたる
方
(
かた
)
より
鼾
(
いびき
)
の声高く
洩
(
も
)
れて、地軸の鳴るかと疑はる。「さては
他
(
かれ
)
なほ
熟睡
(
うまい
)
してをり、この
隙
(
ひま
)
に
跳
(
おど
)
り入らば、
輒
(
たやす
)
く打ち取りてん」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
音
(
おと
)
しづまりて、日に
燬
(
や
)
けて、
熟睡
(
うまい
)
の
床
(
とこ
)
に伏す如く
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
熟睡
(
うまい
)
の
床
(
とこ
)
に埋もれて、子供は眠る
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
『
熟睡
(
うまい
)
』を
隔
(
なか
)
に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
稚児はすでに
熟睡
(
うまい
)
して、イワンも
微睡
(
まどろ
)
みはじめたり。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
音しづまりて、日に
燬
(
や
)
けて、
熟睡
(
うまい
)
の床に伏す如く
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
高齢九十の老母は何も知らず
熟睡
(
うまい
)
していた。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御用の声が間もなく近隣の
熟睡
(
うまい
)
を破った。
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
炎
(
ほのほ
)
のころも、
纏
(
まと
)
ひたる
地
(
つち
)
の
熟睡
(
うまい
)
の
静心
(
しづごころ
)
。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
疲れきって、こんこんと深い
熟睡
(
うまい
)
に。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
炎
(
ほのほ
)
のころも
纏
(
まと
)
ひたる
地
(
つち
)
の
熟睡
(
うまい
)
の
靜心
(
しづごゝろ
)
。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
朝明
(
あさけ
)
より夕をかけて
熟睡
(
うまい
)
する
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
朝明
(
あさけ
)
より夕をかけて
熟睡
(
うまい
)
する
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
熟
常用漢字
小6
部首:⽕
15画
睡
常用漢字
中学
部首:⽬
13画
“熟睡”で始まる語句
熟睡時