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おいし
ふりがな文庫
“
美味
(
おいし
)” の例文
鰯をそのままよく水を切ってバターでジリジリと
揚
(
あ
)
げても結構です。
摺身
(
すりみ
)
にして
一旦
(
いったん
)
油で揚げたものをまた
美味
(
おいし
)
く煮るのもあります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
と
怪
(
あや
)
し気な日本語で会釈して、
巨大
(
おおき
)
な手で赤い小さな
百合形
(
ゆりがた
)
の皿を抱えたが、それでも
咽喉
(
のど
)
が乾いていたと見えて
美味
(
おいし
)
そうに
啜
(
すす
)
り込んだ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「……それで、ご
褒美
(
ほうび
)
になにか
美味
(
おいし
)
いものを、馬さんの口元へ差しつけたとしますね。……すると、この馬さんは、いったい、どうするかしら?」
キャラコさん:10 馬と老人
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
世の中に、禁園の果物ほど
美味
(
おいし
)
いものは無いのです、貧しい按摩の子に取って、高級な音楽は禁園の果物も同様です。
焔の中に歌う
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
紅茶に角砂糖を四つ
抛
(
ほう
)
りこんだのを、さも
美味
(
おいし
)
そうに飲み終ってから課長は調べ室の方へトコトコ歩いていった。
一九五〇年の殺人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
これはこれは
何
(
なに
)
よりのおもてなし……
雛子
(
ひなこ
)
、そなたも
御馳走
(
ごちそう
)
になるがよいであろう。
世界中
(
せかいじゅう
)
で
何
(
なに
)
が
美味
(
おいし
)
いと
申
(
もう
)
しても、
結局
(
けっきょく
)
水
(
みず
)
に
越
(
こ
)
したものはござらぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「それ前にわたし達は源内様に、綺麗なギヤマンの小さな器で
美味
(
おいし
)
いお酒をいただきました」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
木に
生
(
な
)
つたのを盜んで來るのか、何處かの家に
藏
(
しま
)
つてあるのを
攫
(
さら
)
つて來るのか、ハツキリとは分らないが、どうしても正しい品ではないと思ふと、母は今まで喰べた
美味
(
おいし
)
い御所柿を
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
番犬が得たり賢しとその
美味
(
おいし
)
い麺麭菓子をぱつくりくはへては、ガツガツ言ひながら食つてしまふので、その物音に初めて我れに返つた叔母さんはいつも火掻棒で犬を打つたものだ。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「そのな、焼蛤は、今も町はずれの
葦簀張
(
よしずばり
)
なんぞでいたします。やっぱり
松毬
(
まつかさ
)
で焼きませぬと
美味
(
おいし
)
うござりませんで、
当家
(
うち
)
では蒸したのを差上げます、
味淋
(
みりん
)
入れて
味美
(
あじよ
)
う蒸します。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「叔母さん
興津鯛
(
おきつだい
)
御嫌
(
おきらい
)
。あたしこれよか興津鯛の方が
美味
(
おいし
)
いわ」と百代子が云った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お客が家の中に坐っていると、台所の方では
庖丁
(
ほうちょう
)
の音が盛んにして、玉ねぎを揚げる
臭
(
にお
)
いが中庭までぷんぷんして——とこれがいつもきまって、皿数のふんだんな
美味
(
おいし
)
い夜食の前触れをするのだった。
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『ええ。そんなに
美味
(
おいし
)
いものでせうか?』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
美味
(
おいし
)
いもの食はないせゐだよ」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「
美味
(
おいし
)
おっしゃろ?」
神経
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「——あたしはいなくなるけれど、もう薬代にも困らないし、
美味
(
おいし
)
い物も喰べられるわ、そのうちあの人に頼んで、できたら一緒に暮せるようにするし、そうでなくったって病気が治れば一緒になれるわ、……だからよく養生して早くよくなって頂戴ね、阿母さん」
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それへ玉子を一つ入れてよく掻き廻すと一層
美味
(
おいし
)
くなりますが焼きたてのトースを小さくちぎってその上へかけて朝の食事に致します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
頭の上に腕を突出してポリポリと掻いているもの。ムニャムニャムニャと
美味
(
おいし
)
そうに空気を喰って舌なめずりをしている者。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「さあ君、僕と一緒にくるんだ。君のために素晴らしい儲け話を教えてやる。それに女も有るんだ。水のたれるような
美味
(
おいし
)
そうな、そして素敵に匂いの高い女なんだ」
ヒルミ夫人の冷蔵鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
炎天にさらされて飛び廻っております。でも、ちっとも陽に焼けません。でも血色はようございます。粗末な食べ物をいただいております。それがマアなんて
美味
(
おいし
)
いんでしょう。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いだかれるようでは僕がこうして震えあがっているのも大いに無理のないことだ。どうだろう。山登りなんぞはやめにし、アッタシイの湖畔へ引きうつって、
美味
(
おいし
)
い川魚でも喰おうじゃないか
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
うつかり
美味
(
おいし
)
さうな処をちぎつてはさし出すのであつた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
美味
(
おいし
)
いでせう。美禰子さんの
御見舞
(
おみやげ
)
よ」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
... 私が今お登和さんに教わって
美味
(
おいし
)
いお料理を御馳走しますから」大原いよいよ
恐悦
(
きょうえつ
)
「どうぞ願いたい、御辞退は致しません」妻君
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
妻
(
かない
)
が塩で
茹
(
ゆ
)
で、持って来よったようじゃが最初の
中
(
うち
)
は香気が高くてナカナカ
美味
(
おいし
)
いものじゃよ。新
牛蒡
(
ごぼう
)
のようなものじゃ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「なにって……」と彼は答えるのをやめて、煙草を口に持っていって
美味
(
おいし
)
そうに
喫
(
す
)
った。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そうだったのう、
美味
(
おいし
)
かったよ。……田沼はあの時どうしていたかのう?」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それが四十銭かかりましょう。その代り脛の骨から
髄
(
ずい
)
のマルボンというものを取れば二斤から二人前の
美味
(
おいし
)
い御馳走が取れます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
……「ああ
美味
(
おいし
)
かった」という言葉のおしまいがけが、いつもよりも心もち感傷的に響いたり……ETC……ETC……
奥様探偵術
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これは決して
美味
(
おいし
)
いところではない。それを大事に最後まで吸いつくすところに、僕は疑問を
挟
(
はさ
)
んだのだ。——そこで僕は、或る一つの仮定を置いた。仮定を置いただけでは十分ではない。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
勧められたものはただ無闇に腹一杯物を食べて一時は
美味
(
おいし
)
いとか面白いとか思ったろうが
跡
(
あと
)
で胃病を起して五年も十年も悩んだと同じ事だ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それでもあの中へ人間一人ブチ込んだら、五分間で灰も残らないよ。
美味
(
おいし
)
そうな臭いだけは残るがねハッハッハッ。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『×××××を、ムシャムシャ喰べてみたが、たいへんに
美味
(
おいし
)
かった』
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
よく出来たパテーは軽くって
美味
(
おいし
)
いもので日本人の口にはよく合いますから誰でも一度召し上るとお好きになります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
何だか酒が
美味
(
おいし
)
くない。飯が砂を噛むようで、頭がフラフラして死にそうな気がするので、千代町役場からその月の俸給を一円借りて近所の医者の処へ行った。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ところが毎日少しずつ味が変って
美味
(
おいし
)
いのが一度か二度ありましたが美味しくないのは同じ霜降でも肉が
硬
(
こわ
)
くって味がなくして並肉より悪いのが来ます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小田原で酔うた紛れに
美味
(
おいし
)
い美味いと云って、
無暗
(
むやみ
)
に頬張った事を思い出させられたので……しかし……その
中
(
うち
)
にフト青い顔になると、急に盃を置いて、小娘の顔を見た。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
客「イヤ、モー控えましょう。そんなに戴くと胃吉や腸蔵がどんなに怒るか知れません、だがしかし大層好い匂いがしますな、非常に
香
(
こうば
)
しくってさも
美味
(
おいし
)
そうな匂いが」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「マッチや線香で吸うと煙草が
美味
(
おい
)
しゅうない。燃え火で吸うのが一番
美味
(
おいし
)
いけになあ」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
シチュウも酢煮も大層
美味
(
おいし
)
そうで今戴きたいけれどもマア晩の御馳走に取っておきましょう。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「ウーイ。
美味
(
おいし
)
い美味い。酔った酔った。エー、豚の塩漬けは入りませんか。ヒョロの塩漬けは入りませんかア。アッハッハッハッ。面白い面白い。エー、豚とヒョロの塩漬けやアーイ」
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
と云うと船から
梯子
(
はしご
)
を
卸
(
おろ
)
してくれたので千六は内心ビクビクしながら船頭と二人で上って行った。そうして船長室で船長に会って葡萄酒と
珈琲
(
コーヒー
)
と、見た事もない
美味
(
おいし
)
い果物を御馳走になった。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“美味”で始まる語句
美味佳肴
美味求真
美味物許