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ふりがな文庫
“
風
(
ふり
)” の例文
それを
故意
(
わざ
)
と心附かぬ
風
(
ふり
)
をして、
磊落
(
らいらく
)
に母親に物をいッたりするはまだな事、昇と眼を見合わして、
狼狽
(
うろたえ
)
て横へ外らしたことさえ
度々
(
たびたび
)
有ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
仙ちゃんは試験の時勉強しないで及第する術を伝授してくれた。ボールを拾いに行く
風
(
ふり
)
をして隣屋敷の金柑を盗む事も覚え、算術の可厭な時頭痛がする事も習った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしゅうと言葉
後
(
じり
)
力なく送られし時、跡ふりむきて今
一言
(
ひとこと
)
交
(
かわ
)
したかりしを邪見に唇
囓切
(
かみしめ
)
て
女々
(
めめ
)
しからぬ
風
(
ふり
)
誰
(
たが
)
為
(
ため
)
にか
粧
(
よそお
)
い、急がでもよき足わざと早めながら
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
のう、先刻からお前たちに筆を預けて、俺らあ寝た
風
(
ふり
)
をしてたが、勘、われあ何を
書
(
け
)
えた?
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人目を
憚
(
はばか
)
らずその妻を愛するは唯継が常なるを、見苦しと思ふ宮はその
傍
(
そば
)
を
退
(
の
)
かんとすれど、放たざるを例の事とて仲働は見ぬ
風
(
ふり
)
しつつ、器具と
壜
(
ボトル
)
とをテエブルに置きて、
直
(
ぢき
)
に
退
(
まか
)
り
出
(
い
)
でぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
それに、髪も
埃
(
ほこり
)
のままの
束
(
つか
)
ね
髪
(
がみ
)
で、木綿筒袖の、見得も
風
(
ふり
)
もないのを
裾短
(
すそみじか
)
に着、腕には重たげな手籠をかけ、口達者な長屋女房の
揶揄
(
からかい
)
半分な
囀
(
さえず
)
りのなかに、物売りの腰を低めているのだった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは神秘な怖るべき存在であり、神の反対者であり、さも内気そうな無邪気そうな
風
(
ふり
)
を装う
暗黒神
(
アリマン
)
であった。毟り取って、殺してしまわねばならないのだ。しかもそれだけではまだ足りない。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
女史は
気
(
け
)
もない
風
(
ふり
)
で言つた。紳士は
吃驚
(
びつくり
)
して馬のやうな顔をした。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
皆其隣の
家
(
うち
)
の者の
住居
(
すまい
)
にしてある座敷に
塊
(
かた
)
まっているらしい。
好
(
い
)
い
塩梅
(
あんばい
)
だと、私は椽側に
佇立
(
たたず
)
んで、庭を眺めている
風
(
ふり
)
で、歌に耳を
傾
(
かたぶ
)
けていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
この不体裁に乗客は皆眉を
顰
(
ひそ
)
めた。車掌は見ない
風
(
ふり
)
をしていた。娘はもう辛抱出来なくなって立った。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
智慧ある
風
(
ふり
)
にきらめきて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
母親は見ぬ
風
(
ふり
)
をして見落しなく見ておくから、
歯癢
(
はが
)
ゆくてたまらん。老功の者の眼から観れば、年若の者のする事は、総てしだらなく、
手緩
(
てぬ
)
るくて更に
埒
(
らち
)
が明かん。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
解けがちにする
風
(
ふり
)
見ても
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
依
(
よっ
)
て更に出直して「大丈夫」ト
熱気
(
やっき
)
とした
風
(
ふり
)
をして見て、歯を
喰切
(
くいしば
)
ッて見て、「一旦思い定めた事を
変
(
へん
)
がえるという事が有るものか……しらん、止めても止まらんぞ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
天
(
あま
)
飛ぶ
風
(
ふり
)
も戀ひねば
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
聞えん
風
(
ふり
)
も出来ぬから、渋々
起
(
た
)
って取次に出て、倒さになる。私のお辞儀は家内の物議を
惹起
(
ひきおこ
)
して度々
喧
(
やかま
)
しく言われているけれど、面倒臭いから、構わず倒さになる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“風”の意味
《名詞》
(かぜ)空気の流れ。
(かぜ)ある勢力の勢い
(フウ)風習。気風。慣習。雰囲気。
(フウ)風体。恰好。
(フウ)様子。ふり。
(フウ)性向。性格。傾向。きらい。
(フウ)体裁。聞こえ。
(フウ)様態。感じ。
(出典:Wiktionary)
“風”の解説
風(かぜ)とは、空気の流れのこと、流れる空気自体のこと、またはそれによる現象(ビル風など)のことである。
(出典:Wikipedia)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“風”を含む語句
風采
風俗
暴風
暴風雨
中風
南風
東風
風姿
風呂
北風
西風
手風琴
風習
疾風
旋風
風体
風呂敷包
颶風
風評
東南風
...