“へさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.5%
舳先19.8%
船首8.8%
3.3%
舟首0.5%
0.5%
部崎0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
へさきの斜の行手に浪から立ちのぼって、ホースの雨のように、飛魚の群が虹のような色彩にひらめいて、繰り返し繰り返し海へ注ぎ落ちる。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
……と思ううちに、その舳先へさきに仁王立ちになった向う鉢巻の友吉おやじが、巻線香と爆弾を高々と差し上げながら、何やら饒舌しゃべり初めた。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
錨を抜いた港から、汽笛と共にゆるぎ出て、乗ツてる人の目指す港へ、船首へさきを向けて居る船にはちがひない。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
たんは若い船頭に命令を与える必要上、ボオトのへさきに陣どっていた。が、命令を与えるよりものべつに僕に話しかけていた。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
……舟首へさきがもう水門へ。……白いお姉様の着物が……黒い水が蛇のようにうねくって。……あッ! 舟が水門へ! ……お姉様よう!
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また船のへさきの方に我は顔して坐りなどする者をば将監様とよぶ。これは江戸の頃の水の上のつかさ向井将監にかけて云へるにて、将監のやうに坐りて傲り高ぶれるといふ意なるべし。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
当月十日、異国船一そう上筋かみすじより乗り下し、豊前国ぶぜんのくに田野浦部崎へさきの方に寄り沖合いへ碇泊ていはくいたしそうろう
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)