“微茫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びぼう75.0%
かすか12.5%
びばう12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
輿窓よそうヨリ来路ヲ回顧スレバすなわち島嶼皆烟雨えんう微茫びぼうノ間ニアリ。依依トシテ相送ル者ノ如シ。高城ノ駅ニ到レバすなわち灯既ニ点ズ。コノ夜雨。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そりを打った中折れの茶のひさしの下から、深きまゆを動かしながら、見上げる頭の上には、微茫かすかなる春の空の、底までもあいを漂わして、吹けばうごくかと怪しまるるほど柔らかき中に屹然きつぜんとして
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まことれ一の夢幻界なり。湾に沿へる拿破里ナポリまちは次第に暮色微茫びばうの中に没せり。ひとみを放ちて遠く望めば、雪をいただけるアルピイの山脈こほりもて削り成せるが如し
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)