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微茫
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びぼう
ふりがな文庫
“
微茫
(
びぼう
)” の例文
輿窓
(
よそう
)
ヨリ来路ヲ回顧スレバ
則
(
すなわち
)
島嶼皆
烟雨
(
えんう
)
微茫
(
びぼう
)
ノ間ニアリ。依依トシテ相送ル者ノ如シ。高城ノ駅ニ到レバ
則
(
すなわち
)
灯既ニ点ズ。コノ夜雨。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それすらもう水煙
微茫
(
びぼう
)
の間に見えなくなって、オークランド岡のいただきも地平線の下にしずんでしまった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
飛沫
(
しぶき
)
のなかを、消えあるいは点いて……闇の海上をゆく
微茫
(
びぼう
)
たる光があった。その頃は、小雨が太まってき
長濤
(
うねり
)
がたかく、
舳
(
へさき
)
は水に没して、両舷をしぶきが洗ってゆく。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
またひとしきり煙に和して勢いよく立ち上る火花の行くえを
目送
(
みおく
)
れば、
大檣
(
たいしょう
)
の上高く星を散らせる秋の夜の空は
湛
(
たた
)
えて、月に淡き銀河一道、
微茫
(
びぼう
)
として白く海より海に流れ入る。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
東の空にほのぼのと水色の
微茫
(
びぼう
)
が棚引いて見え、それがだんだん色づいて来る。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
夏の
夜
(
よ
)
の月
円
(
まる
)
きに乗じて、
清水
(
きよみず
)
の堂を
徘徊
(
はいかい
)
して、
明
(
あきら
)
かならぬ
夜
(
よる
)
の色をゆかしきもののように、遠く
眼
(
まなこ
)
を
微茫
(
びぼう
)
の底に放って、幾点の
紅灯
(
こうとう
)
に夢のごとく
柔
(
やわら
)
かなる空想を
縦
(
ほしい
)
ままに
酔
(
え
)
わしめたるは
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
茫
漢検1級
部首:⾋
9画
“微茫”で始まる語句
微茫月色