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茫
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ぼ
ふりがな文庫
“
茫
(
ぼ
)” の例文
女中か、私はね、雪でひとりでに涙が出ると、
茫
(
ぼ
)
っと何だか赤いじゃないか。
引擦
(
ひっこす
)
ってみるとお前、つい先へ
提灯
(
ちょうちん
)
が一つ行くんだ。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘が疲れて
茫
(
ぼ
)
んやりした顔付きで次の間で帯を解いてゐると、弟共が物音で寝床から起きて来た。
寝
(
ね
)
ぼけ
眼
(
まなこ
)
で姉を取囲みながら、何か尋ねてゐる。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「まだ御勉強でございますか。朝がお早いのでございますからもうお
寝
(
やす
)
みにならないと明日
茫
(
ぼ
)
んやりなさいますよ。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
彼女は雨戸に手をかけたままで、
茫
(
ぼ
)
んやり前方の空間を眺めていた。そこには大観覧車の円芯の辺りを、二、三条の夕焼雲が横切っていて、それが、書割の作り日の出のように見えた。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
平次はガラツ八の
茫
(
ぼ
)
つとした顏を
顧
(
かへり
)
みました。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
汽車に乗つてから、私も妙に疲れてしまつて、上野まで
茫
(
ぼ
)
んやりして参りました。大森の御隠居様が大変心配なさつて、電報で弟の様子を訊ねたりして下さいました。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
暮れて行く往来の向うは、もう両側の生垣の色も、墨で塗つたやうに
茫
(
ぼ
)
つと黒くなつてゐる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その前で、朝枝は
茫
(
ぼ
)
んやりと、一つの鉢を
瞶
(
みつ
)
めていた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「いや。家のものばかりだ。さつきから下へ下りて
茫
(
ぼ
)
んやりしてたところだ。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
月の
在処
(
ありか
)
だけが
茫
(
ぼ
)
んやり分る。……
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
茫
漢検1級
部首:⾋
9画
“茫”を含む語句
茫然
茫乎
茫々
茫漠
渺茫
茫然自失
微茫
蒼茫
茫洋
光茫
淼茫
縹茫
眇茫
広茫
茫茫
曠茫
茫々然
草茫々
薄茫然
薄茫乎
...