“曠茫”の読み方と例文
読み方割合
こうぼう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折しも、秋の半ば、帝と皇后のくるまは長い戟を揃えた御林軍の残兵に守られて、長安の廃墟を後に、曠茫こうぼうたる山野の空へと行幸せられた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは下りあるいは登り、道なき道を突き進み、一ときあまり進んだ時、忽ち曠茫こうぼうたるすすきの原、星の下辺したべに見え渡り、一群色濃き森の中よりわずかに見える灯の光。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だが、あたりは依然として、人家さえ視界から取払われた、曠茫こうぼうとした荒野にとりかこまれていた。
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)