“こうぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウボウ
語句割合
光芒41.4%
広茫13.8%
広袤12.9%
弘法10.3%
光鋩6.9%
光茫2.6%
曠茫2.6%
興亡1.7%
荒亡1.7%
口傍0.9%
好望0.9%
孝坊0.9%
皎鋩0.9%
紅甍0.9%
高帽0.9%
高甍0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空気の乾いているせいか、ひどく星が美しい。黒々とした山影とすれすれに、夜ごと、狼星ろうせいが、青白い光芒こうぼうを斜めにいて輝いていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
太陽の光を浴びちょうの群れ飛んでる広茫こうぼうたる地面を四角に切り取っている大きな黒壁の神秘な魅力、それらのものに著者の心はひかれていた。
長さ十二マイル、幅八マイルくらいの小さい島であって、広袤こうぼう数千マイルの南太平洋の中では、砂粒のような島である。
牛の丸焼 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
(がぶりと呑んでてのひらをチュウと吸う)別して今日は御命日だ——弘法こうぼう様がすみやかに金ぴかものの自動車へ、相乗あいのりにお引取り下されますてね。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遠い天星てんせいの青光りが、ギラッとつづらの側によれ合った。一方のつづらへは有村の剣! ひとつのほうへは天堂一角が、今にも突き出さんとめ澄ます光鋩こうぼう
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが他方へ廻転してゆくとき、何か神秘的に、長く、遠く白銀色の光茫こうぼうを何海浬かいりもサッと引いた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
あるいは下りあるいは登り、道なき道を突き進み、一ときあまり進んだ時、忽ち曠茫こうぼうたるすすきの原、星の下辺したべに見え渡り、一群色濃き森の中よりわずかに見える灯の光。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一刀斎は、例によって、世乱変転のすがたを、あたかも道中の山水風物と同視して、冷酷に批判する。浮沈ふちん興亡こうぼうする英雄の道と、いま自分のあるいている道とは、まったく別箇のものとしているのである。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その設備の費用や、交際や、仲に立って狡計こうけいろうする金魚ブローカーなどもあって、金魚のため——わずか飼魚の金魚のために家産を破り、流難荒亡こうぼうするみじめな愛魚家が少からずあった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「二八誰ガ家ノ女、飄トシテ来リ岸蘆がんろニ倚ル、鳥ハ眉上びじょうすいヲ窺ヒ、魚ハ口傍こうぼうノ朱ヲろうス」
岷山の隠士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
他の諸条件が皆好望こうぼうであったとして、この縁談の難点は、先日もちょっとその話が出たように、縁づく先が東京であると云うことで
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ほんとうに、孝坊こうぼうのように、だれも、ゆかないやまなかで、一しんに、日月じつげつボールをうまくなろうとけいこしていたのかもわからないじゃないか。」と、せいさんは、わらいました。
日月ボール (新字新仮名) / 小川未明(著)
どのくらいかと当たるこころで斬りつけた源十郎は、武蔵太郎の皎鋩こうぼうに容易ならぬ気魄きはくを読むと、今後これを向うへまわす左膳と自分もめったに油断はならぬわいと思いながら
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
出た、山のに松が一樹。幹のやさしい、そこの見晴しで、ちょっと下に待つ人を見ようと思ったが、上って来た方は、紅甍こうぼう粉壁ふんぺきと、そればかりで夫は見えない。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
高帽こうぼう腕車わんしゃはいたるところ剣佩はいけん馬蹄ばていの響きと入り乱れて、維新当年の京都のにぎあいを再びここ山陽に見る心地ここちせられぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
あるいは何々しゃくにして市内市外に許多あまた高甍こうぼう宏閣こうかくかまえている人よりも以上の租税そぜいを払っている例すらある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)