興亡こうぼう)” の例文
国の興亡こうぼうとはこんなにももろいものであったかと痛感しながら、落魄うらぶれた身を一変した世のちまたにさまよわせていた。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一刀斎は、例によって、世乱変転のすがたを、あたかも道中の山水風物と同視して、冷酷に批判する。浮沈ふちん興亡こうぼうする英雄の道と、いま自分のあるいている道とは、まったく別箇のものとしているのである。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)