“興醒”の読み方と例文
読み方割合
きょうざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが時折、魯提轄の神経を針で突ッつくような興醒きょうざめが洩れてきた。さっきから、どこかでシクシクいっている女のすすり泣きである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というひどく興醒きょうざめの現実的の心配ばかり彼に言ってやるので、彼も面白くなくなったか、私への便りも次第に少くなって来た。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
窓の外の木々の葉のささやきを聴きながら、かの女はしばら興醒きょうざめた悲しい気持でいた。すると何処かで、「メー」と山羊やぎが風をよろこぶように鳴いた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)