光茫こうぼう)” の例文
しかし、彼の林崎夢想流は、不滅の光茫こうぼうのこして行ったし、その誕生の森、林崎明神は今もそのまま現存している。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが他方へ廻転してゆくとき、何か神秘的に、長く、遠く白銀色の光茫こうぼうを何海浬かいりもサッと引いた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
紫色がぜて雪白の光茫こうぼうを生んでいるものもある。私は星に一々こんな意味深い色のあることを始めて見た。美しい以上のものを感じて、脊椎骨せきついこつ接目つぎめ接目つぎめに寒気がするほどである。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)