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呆
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ぼん
ふりがな文庫
“
呆
(
ぼん
)” の例文
退屈なので、馬の眼やにでも取っているのか、鼻面を
撫
(
な
)
でてやっている容子が、常の源五右衛門らしくもなく、何となく
呆
(
ぼん
)
やりして見えたので
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お俊はそう言って自分らしくもないと思って
赧
(
あか
)
くなったが、きよ子はべつに何も思っていないらしく
呆
(
ぼん
)
やりとしていたが、ふと、こんなことを言った。
童話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
お雪は、ぞっとするほど碧く澄んだ天地の中に、
呆
(
ぼん
)
やりとしてしまった。皮膚にまで
碧緑
(
あお
)
さが
滲
(
し
)
みこんでくるように、全く、
此処
(
ここ
)
の海は、岸に近づいても
藍
(
あい
)
色だ。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
医者は自分の手術料まで鵜飲みにされたやうな顔をして、
呆
(
ぼん
)
やり
衝立
(
つゝた
)
つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「えゝ」と云つて、
呆
(
ぼん
)
やりしてゐる。やがて
二人
(
ふたり
)
が顔を見合した。さうして一度に笑ひ
出
(
だ
)
した。美禰子は、驚ろいた様に、わざと大きな
眼
(
め
)
をして、しかも一段と調子を
落
(
おと
)
した
小声
(
こごゑ
)
になつて
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
それまで私は何という
呆
(
ぼん
)
やりした、うつけた気持ちでいたことであろう。——こんどは、床の上にそっと置いた。
童子
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「しようがねえ奴らだな。じてえ、お前たちが、ばかな
真似
(
まね
)
をされるように、
呆
(
ぼん
)
やりしてるからだ。」
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
朝市には、ニースに滞在している人たちが、買出しかたがた散歩に出て
賑
(
にぎ
)
わしかった。お雪はまた
呆
(
ぼん
)
やりしてしまった。花の香に酔ったように、差出されるままに買いこんでは抱えた。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お雪は、碧い光りの中に
呆
(
ぼん
)
やりしてばかりいられなかった。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
呆
漢検準1級
部首:⼝
7画
“呆”を含む語句
痴呆
呆然
呆気
阿呆
寝呆
呆痴
呆痴者
呆返
阿呆鳥
阿呆顔
痴呆性
阿呆面
痴呆者
癡呆
痴呆奴
呆々
呆作
呆氣
空呆
阿呆陀羅経
...