トップ
>
具
>
ぐ
ふりがな文庫
“
具
(
ぐ
)” の例文
そこで金太郎は體を
固
(
かた
)
く小さくして、道の白い
流
(
なが
)
れの上へ、飛びこむやうな
具
(
ぐ
)
合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へ
投
(
な
)
げ出された。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
そしてあの
少年
(
しょうねん
)
の
持
(
も
)
っていたような
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
や
筆
(
ふで
)
があったら、
自分
(
じぶん
)
にもきっと、あのようにいきいきと
描
(
か
)
けるのであろうと
思
(
おも
)
いました。
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
詰侍
(
つめざむらい
)
の
部屋
(
へや
)
や
長屋
(
ながや
)
にいる
常備
(
じょうび
)
の
武士
(
ぶし
)
を、
番士
(
ばんし
)
は声をからして起しまわる。たちまち、
物
(
もの
)
の
具
(
ぐ
)
とって
馳
(
か
)
けあつまる
敵
(
てき
)
はかずを
増
(
ま
)
すばかり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日朝早く案内者一人
召
(
め
)
し
具
(
ぐ
)
し二人きおいにきおいて滝壺に下る。岩崩れ足
辷
(
すべ
)
る。手に草をつかみてうしろ向きになりて少しずつ下り行く。
滝見の旅
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
而
(
しか
)
るに更に将門等を召すの使を給はる、然るに心安からざるに依りて、遂に道に上らず、官使英保純行に付いて、由を
具
(
ぐ
)
して言上し了んぬ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
木戸に坐つて居る
鹽辛聲
(
しほからごゑ
)
は、四十前後の不景氣な男で、その頭の上に掛け並べた
泥繪
(
どろゑ
)
の
具
(
ぐ
)
の看板は、存分に下品で、そして存分に刺戟的でした。
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
改めらるゝに
中
(
なか
)
には
紺糸縅鐵小脾
(
こんいとをどしてつこざね
)
の
具足
(
ぐそく
)
一
領
(
りやう
)
南蠻鐵桃形
(
なんばんてつもゝなり
)
の
兜
(
かぶと
)
其外
籠手
(
こて
)
脛當
(
すねあて
)
佩楯
(
はいだて
)
沓等
(
くつとう
)
六
具
(
ぐ
)
とも揃へて是あり
又
(
また
)
底
(
そこ
)
の
方
(
かた
)
に
何
(
なに
)
か
疊紙
(
たゝみ
)
の樣なる
包
(
つゝみ
)
あり是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
素人
(
しろうと
)
の母親の握る鮨は、いちいち大きさが違っていて、形も不細工だった。鮨は、皿の上に、ころりと倒れて、載せた
具
(
ぐ
)
を傍へ落すものもあった。
鮨
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
甲胄堂
(
かつちうだう
)
の
婦人像
(
ふじんざう
)
のあはれに
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
のあせたるが、
遥
(
はる
)
けき
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
に
映
(
うつ
)
りて、
虹
(
にじ
)
より
鮮明
(
あざやか
)
に、
優
(
やさ
)
しく
読
(
よ
)
むものゝ
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
りて、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
恰
(
あだか
)
も
活
(
い
)
けるが
如
(
ごと
)
し。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なれたる人はこれをはきて
獣
(
けもの
)
を追ふ也。右の外、男女の雪
帽子
(
ばうし
)
雪
下駄
(
げた
)
、
其余
(
そのよ
)
種々雪中
歩用
(
ほよう
)
の
具
(
ぐ
)
あれども、
薄
(
はく
)
雪の国に用ふる物に
似
(
に
)
たるはこゝに
省
(
はぶ
)
く。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其代り
筆
(
ふで
)
が
些
(
ちつ
)
とも滞つてゐない。殆んど一気
呵成
(
かせい
)
に
仕上
(
しあげ
)
た趣がある。
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
の
下
(
した
)
に鉛筆の輪廓が
明
(
あき
)
らかに
透
(
す
)
いて見えるのでも、洒落な
画
(
ぐわ
)
風がわかる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
家屋庭園の装飾はただちに我が形体の寒熱
痛痒
(
つうよう
)
に感ずるに
非
(
あら
)
ざれども、精神の風致を
慰
(
なぐさむ
)
るの
具
(
ぐ
)
にして、戸外の社会に交りてその社会の美を観るもまた
教育の目的
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
本編雪の
外
(
ほか
)
它
(
た
)
の事を
載
(
のせ
)
たるは
雪譜
(
せつふ
)
の名を
空
(
むなし
)
うするに
似
(
に
)
たれども、
姑
(
しばらく
)
記
(
しる
)
して
好事
(
かうず
)
の
話柄
(
わへい
)
に
具
(
ぐ
)
す。
増修
(
そうしう
)
の
説
(
せつ
)
も
亦
(
また
)
然
(
しか
)
り。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
すなわち一方は
稀
(
まれ
)
にしかこれを口にせず、または少なくとも
戯笑
(
ぎしょう
)
の
具
(
ぐ
)
には供しなかった。その痕跡がまだシビ・スビ・ツビの語には残っているかと思う。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ぱっと、
漆盆
(
うるしぼん
)
の
上
(
うえ
)
へ
欝金
(
うこん
)
の
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
を
垂
(
た
)
らしたように、あたりが
明
(
あか
)
るくなった。
同時
(
どうじ
)
に、
春重
(
はるしげ
)
のニヤリと
笑
(
わら
)
った
薄気味悪
(
うすきみわる
)
い
顔
(
かお
)
が、こっちを
向
(
む
)
いて
立
(
た
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ははゝゝそれはね 天
体
(
たい
)
を見るには
機械
(
きかい
)
にばかり
頼
(
たよ
)
らないで『見るのに
具
(
ぐ
)
合ひのいい
調子
(
てうし
)
』にしておくことだよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
一二二
水
向
(
むけ
)
の
具
(
ぐ
)
一二三
物せし中に、木の
端
(
はし
)
を
刪
(
けづ
)
りたるに、
一二四
那須野紙
(
なすのがみ
)
のいたう
古
(
ふる
)
びて、文字も
一二五
むら
消
(
ぎえ
)
して所々見定めがたき、正しく妻の筆の跡なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
我々は是に
膏藥
(
こうやく
)
の類を入るる事有れどコロボツクルは之を以て
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
入れとせしなり。
赤色
(
あかいろ
)
の
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を入れたる
儘
(
まま
)
のはまぐり貝は大森
貝塚
(
かいづか
)
より數個
發見
(
はつけん
)
されたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
或日東堂が役所で公用の書状を発せようとして、藤田に稿を
属
(
しょく
)
せしめた。藤田は案を
具
(
ぐ
)
して呈した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ごく
珍
(
めづら
)
しい
例
(
れい
)
ではありますが、
赤
(
あか
)
い
繪
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
で
塗
(
ぬ
)
つたものさへ
見
(
み
)
かけられるのであります。しかし
燒
(
や
)
き
方
(
かた
)
はどれも
軟
(
やはら
)
かい
質
(
しつ
)
ですから、
水
(
みづ
)
を
入
(
い
)
れるとたいていは
浸
(
し
)
み
出
(
だ
)
します。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
と呟いて、血にぬれた薙刀を肩にかつぎ、
物
(
もの
)
の
具
(
ぐ
)
ユサユサとゆすり上げたかと思うと
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
水彩画の
画
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
で書くのであったが、色の用法などは何人にも習わず、また手本というようなものは一冊もなく、ただ目前に草花類を置いていきなりそれを写生するのであったから
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
自己の論法を展開する
便宜
(
べんぎ
)
の
具
(
ぐ
)
としているまでの如くであるけれども、然し、織田の論理の支柱となっている感情は、熱情は、東京に対する大阪であり、織田の反逆でなしに、大阪の反逆
大阪の反逆:――織田作之助の死――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ピアノの前に二月堂の卓を二つつないで、
瓦斯
(
ガス
)
のカンテキ(
鍋
(
なべ
)
やカンテキは母屋から借りて来たのである)ですぐに始めたが、
具
(
ぐ
)
がいつもより分量が多く、種類もたくさん
揃
(
そろ
)
えてあるのに驚いた。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
日曜の朝、「秋」は銀かな
具
(
ぐ
)
の細巻の
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
眞白き石に
具
(
ぐ
)
せられぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
御馬
(
おんうま
)
の
具
(
ぐ
)
は
何々
(
なに/\
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
孔明は、
屍
(
かばね
)
を谷へ捨てさせたが、その
物
(
もの
)
の
具
(
ぐ
)
や旗印は、これを取って、自軍の兵に装わせた。つまり敵の具を以て全軍偽装したのである。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それで、一
枚
(
まい
)
描
(
か
)
こうかと
思
(
おも
)
って、
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
を
買
(
か
)
いに
出
(
で
)
かけて、
帰
(
かえ
)
ってみると
召集令
(
しょうしゅうれい
)
がきていたんだ。ああ、それで
気
(
き
)
がついたよ。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なれたる人はこれをはきて
獣
(
けもの
)
を追ふ也。右の外、男女の雪
帽子
(
ばうし
)
雪
下駄
(
げた
)
、
其余
(
そのよ
)
種々雪中
歩用
(
ほよう
)
の
具
(
ぐ
)
あれども、
薄
(
はく
)
雪の国に用ふる物に
似
(
に
)
たるはこゝに
省
(
はぶ
)
く。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
画工
(
ゑかき
)
さんは
立処
(
たちどころ
)
にコバルトの
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を
溶
(
と
)
いたし、
博士
(
はかせ
)
は
紫
(
むらさき
)
の
蝶
(
てふ
)
を
追
(
お
)
つて、
小屋
(
こや
)
うらの
間道
(
かんだう
)
を
裏
(
うら
)
の
林
(
はやし
)
に
入
(
はい
)
つたので。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其中
(
そのうち
)
には、さすが
御大名丈
(
おだいみやうだけ
)
あつて、
好
(
い
)
い
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を
惜氣
(
をしげ
)
もなく
使
(
つか
)
ふのが
此
(
この
)
畫家
(
ぐわか
)
の
特色
(
とくしよく
)
だから、
色
(
いろ
)
が
如何
(
いか
)
にも
美事
(
みごと
)
であると
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な、
宗助
(
そうすけ
)
には
耳
(
みゝ
)
新
(
あた
)
らしいけれども
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
土器
(
どき
)
では
三本脚
(
さんぼんあし
)
のれきなどでありますが、
近頃
(
ちかごろ
)
にいたつて
河南省
(
かなんしよう
)
や
甘肅省
(
かんしゆくしよう
)
あたりでは、
墨色
(
すみいろ
)
の
繪
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
で
模樣
(
もよう
)
を
描
(
か
)
いた
美
(
うつく
)
しい
土器
(
どき
)
が、
石器
(
せつき
)
と
一
(
いつ
)
しょにたくさんに
發見
(
はつけん
)
されますが
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
窓
(
まど
)
の
下
(
もと
)
なる小机に、いま
行李
(
こり
)
より出したる
旧
(
ふる
)
き絵入新聞、
遣
(
つか
)
ひさしたる
油
(
あぶら
)
ゑの
具
(
ぐ
)
の
錫筒
(
すずづつ
)
、粗末なる
烟管
(
キセル
)
にまだ
巻烟草
(
まきタバコ
)
の
端
(
はし
)
の残れるなど載せたるその片端に、巨勢はつら
杖
(
づえ
)
つきたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
すなわち東洋諸国
専制流
(
せんせいりゅう
)
の
慣手段
(
かんしゅだん
)
にして、勝氏のごときも
斯
(
かか
)
る専制治風の時代に
在
(
あ
)
らば、或は同様の
奇禍
(
きか
)
に
罹
(
かか
)
りて新政府の諸臣を
警
(
いま
)
しむるの
具
(
ぐ
)
に供せられたることもあらんなれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
蠅帳の中には、すでに鮨の
具
(
ぐ
)
が調理されてあった。母親は素早くその中からひときれを取出してそれからちょっと押えて、長方形に握った飯の上へ載せた。子供の前の膳の上の皿へ置いた。
鮨
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
右の下の隅に
圖
(
づ
)
したるは
土瓶形
(
どびんかた
)
土器の
横口
(
よこくち
)
にして。
模樣
(
もよう
)
は赤色の
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を以て
畫
(
ゑが
)
きたり。右の上の三個は、土器
表面
(
ひやうめん
)
に在る押紋を其
原
(
もと
)
に還したるものにして、
取
(
と
)
りも直さず
紐
(
ひも
)
細工の裝飾なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
致せ
湯責
(
ゆぜめ
)
火
(
ひ
)
責水責
鐵砲
(
てつぱう
)
責
海老
(
えび
)
熊手
(
くまで
)
背割
(
せわり
)
木馬
(
もくば
)
しほから火の
玉
(
たま
)
四十八
具
(
ぐ
)
の責に掛るぞヤイ/\責よ/\との聲諸とも
獄卒
(
ごくそつ
)
共ハツと云樣
無慘
(
むざん
)
なる
哉
(
かな
)
九助を
眞裸
(
まつぱだか
)
にして
階子
(
はしご
)
の上に
仰向
(
あふむけ
)
に寢かし槌の枕を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一般に、私達の日常に於ては、言葉は
専
(
もっぱ
)
ら「代用」の
具
(
ぐ
)
に
供
(
きょう
)
されている。
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
所
(
ところ
)
は
石町
(
こくちょう
)
の
鐘撞堂新道
(
かねつきどうしんみち
)
。
白紙
(
はくし
)
の
上
(
うえ
)
に、ぽつんと一
点
(
てん
)
、
桃色
(
ももいろ
)
の
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
を
垂
(
た
)
らしたように、
芝居
(
しばい
)
の
衣装
(
いしょう
)
をそのまま
付
(
つ
)
けて、すっきりたたずんだ
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
の
頬
(
ほほ
)
は、
火桶
(
ひおけ
)
のほてりに
上気
(
じょうき
)
したのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「そこもとたちふたりは、若君の
右翼
(
うよく
)
左翼
(
さよく
)
となり、おのおの二十名ずつの兵を
具
(
ぐ
)
して、おそばをはなれず、ご
先途
(
せんど
)
を見とどけられよ、早く早く」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もう、けんかはよしておくれ、
明日
(
あす
)
にでもお
金
(
かね
)
をこしらえてきて
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
を
買
(
か
)
ってあげますから。」といいました。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
本編雪の
外
(
ほか
)
它
(
た
)
の事を
載
(
のせ
)
たるは
雪譜
(
せつふ
)
の名を
空
(
むなし
)
うするに
似
(
に
)
たれども、
姑
(
しばらく
)
記
(
しる
)
して
好事
(
かうず
)
の
話柄
(
わへい
)
に
具
(
ぐ
)
す。
増修
(
そうしう
)
の
説
(
せつ
)
も
亦
(
また
)
然
(
しか
)
り。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
朝
(
あした
)
に法を聴き、
夕
(
ゆうべ
)
に道を聴き、
梧前灯下
(
ごぜんとうか
)
に書巻を手にするのは皆この
自証
(
じしょう
)
を
挑撥
(
ちょうはつ
)
するの
方便
(
ほうべん
)
の
具
(
ぐ
)
に過ぎぬ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
即
(
すなは
)
ち、
一錢銅貨
(
いつせんどうくわ
)
五十餘枚
(
ごじふよまい
)
を、ざらりと
一側
(
ひとかは
)
ならびに、
細
(
ほそ
)
い、
青
(
あを
)
い、
小
(
ちひ
)
さい
蝦蟇口
(
がまぐち
)
を
用意
(
ようい
)
して、
小口
(
こぐち
)
から、「さあ、さあ、お
剩錢
(
つり
)
を。」——これは、
以來
(
いらい
)
、九九九
會
(
くわい
)
の
常備
(
じやうび
)
共通
(
きようつう
)
の
具
(
ぐ
)
と
成
(
な
)
つて
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ついに一
度
(
ど
)
も
来
(
き
)
たことのない、
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
の
女房
(
にょうぼう
)
が、
訪
(
たず
)
ねて
来
(
き
)
たと
聞
(
き
)
いただけでは、
春信
(
はるのぶ
)
は、
直
(
す
)
ぐさまその
気
(
き
)
になれなかったのであろう。
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
から
眼
(
め
)
を
離
(
はな
)
すと、
藤吉
(
とうきち
)
の
顔
(
かお
)
をあらためて
見直
(
みなお
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
裝飾 衣服の
裝飾
(
そうしよく
)
は
紐
(
ひも
)
を
縫
(
ぬ
)
ひ付け、又は糸にて縫ひ取り、又は繪の具にて
塗
(
ぬ
)
りて作りしと思はる。土偶中には
上着
(
うはぎ
)
の所々に赤き
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を付けたるも有り、股引に數個の横線 畫きたるも有るなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
何
(
いず
)
れも
仏性
(
ぶっしょう
)
具
(
ぐ
)
せる身を
隔
(
へだ
)
つるのみこそ悲しけれ。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
ざわざわと、こんなことをささやきながら、あなたこなたにたおれている武士の
物
(
もの
)
の
具
(
ぐ
)
や持ち物を
剥
(
は
)
ぎまわっているのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
はどこへいったら、あれと
同
(
おな
)
じい
絵
(
え
)
の
具
(
ぐ
)
や、
筆
(
ふで
)
を
売
(
う
)
っているだろうかと、そればかり
思
(
おも
)
っていたのでありました。
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“具”の意味
《名詞》
(グ)料理の材料。汁物や鍋料理に入れるもの、混ぜ御飯に混ぜるもの、麺類の上にのせるもの、袋状のものに詰めるものなどを言う。
(グ)(俗語)外陰部。
(グ)(古)比較的簡素な道具。
(グ)(比喩的)道具。手段。手だて。
(グ)顔料。
(出典:Wiktionary)
“具”の解説
具(ぐ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“具”を含む語句
玩具
道具
夜具
不具者
具合
器具
道具立
香具
具備
武具
不具
香具師
翫具
絵具
繪具
古道具
寝具
索具
面道具
玩具店
...