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具
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つぶ
ふりがな文庫
“
具
(
つぶ
)” の例文
だから彼を批評するには
具
(
つぶ
)
さにその道程に沿って歩いて見ることによって、彼が今や赴こうとしている方向を割り出さなければならぬ。
思想としての文学
(新字新仮名)
/
戸坂潤
(著)
「自動車のお蔭で大変時間が余ったね。今度は
徒歩
(
かち
)
で
具
(
つぶ
)
さに下情を視察するんだから、少し涼しくなるまで寛ろごうじゃないか?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
遠く南洋の島々へ落武者となって悠久の
塒
(
ねぐら
)
を定め、彼地の土人が即興の舞踊を
具
(
つぶ
)
さに写したらんか、すなわちこれと思わるるほど、哀しくおかしい。
寄席行灯
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
倘
(
も
)
し并せて返納せば、
益々
(
ますます
)
不恭に
渉
(
わた
)
らん。因って今、領受し、薄く
土宜
(
どぎ
)
数種を
晋
(
すす
)
め、以て報謝を表す。
具
(
つぶ
)
さに別幅に録す。
却
(
しりぞ
)
くるなくんば幸甚なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
そして割合に給料があがらない。サア事ダ、私の多事多難はこれがスタートして、それからが波瀾重畳、
具
(
つぶ
)
さに辛酸を
嘗
(
な
)
めた幾十年を大学で過ごした。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
丁度今回大阪でも近作陶鉢の会を催し、展観することになりましたから、
具
(
つぶ
)
さにご覧を願いましてお心付きの点を
披瀝
(
ひれき
)
して頂きたいと思うのであります。
近作鉢の会に一言
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
道庵先生の従者として
具
(
つぶ
)
さに、その幾つかを経歴して来たのだが、ついいま参詣した
蝉丸神社
(
せみまるじんじゃ
)
というのも、あの辺がれっきとした古来の関だと聞いて来たが、別段
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
寡婦言う、
本
(
も
)
とこれを以てにあらずと、すなわち
具
(
つぶ
)
さに情を以て告ぐ。阿那律言う、姉妹よ我等はまさにこの悪業を
作
(
な
)
すべからず、世尊の制法もまた
聴
(
ゆる
)
さざる所なりと。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
我がリヒヤード・ワグネルも亦、愛妻ミンナと愛犬ルツスを
率
(
ひき
)
ゐ、
飄然
(
へうぜん
)
として祖国を去つて
巴里
(
パリー
)
に入るや、淋しき冷たき
陋巷
(
ろうかう
)
の
客舎
(
かくしや
)
にありて
具
(
つぶ
)
さに衣食の為めに労苦を
嘗
(
な
)
めぬ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
重
(
かさ
)
ね夫婦の語らひ迄約せし上は貴殿とても一方ならぬ御中なりと
詞
(
ことば
)
の
端
(
はし
)
に長庵が
曲輪
(
くるわ
)
の樣子
具
(
つぶ
)
さに
噺
(
はな
)
し又此程は絶て遠ざかられし故小夜衣は
明暮
(
あけくれ
)
思ひ
煩
(
わづら
)
ひて
歎息
(
かこち
)
恨
(
うら
)
みし事などを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唯
(
たゞ
)
一
筋
(
すぢ
)
でも
岩
(
いは
)
を
越
(
こ
)
して
男瀧
(
をたき
)
に
縋
(
すが
)
りつかうとする
形
(
かたち
)
、それでも
中
(
なか
)
を
隔
(
へだ
)
てられて
末
(
すゑ
)
までは
雫
(
しづく
)
も
通
(
かよ
)
はぬので、
揉
(
も
)
まれ、
揺
(
ゆ
)
られて
具
(
つぶ
)
さに
辛苦
(
しんく
)
を
嘗
(
な
)
めるといふ
風情
(
ふぜい
)
、
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
は
姿
(
すがた
)
も
窶
(
やつ
)
れ
容
(
かたち
)
も
細
(
ほそ
)
つて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
将門背走相防ぐ
能
(
あた
)
はざるの間、良兼の為に人物を
殺損奪掠
(
さつそんだつりやく
)
せらるゝの
由
(
よし
)
は、
具
(
つぶ
)
さに下総国の
解文
(
げもん
)
に注し、官に
言上
(
ごんじやう
)
しぬ、
爰
(
こゝ
)
に朝家諸国に
勢
(
せい
)
を合して良兼等を追捕す可きの官符を下され
了
(
をは
)
んぬ。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
またせめては先生の
生前
(
せいぜん
)
において、予がいかにこの
感泣
(
かんきゅう
)
すべきこの
感謝
(
かんしゃ
)
すべき
熱心
(
ねっしん
)
と、いかにこの
欣戴
(
きんたい
)
し
惜
(
お
)
かざる
衷情
(
ちゅうじょう
)
とを
具
(
つぶ
)
さに
言
(
い
)
いも
出
(
いで
)
ずして今日に至りたるは、先生これを
何
(
なん
)
とか思われんなどと
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
と
立
(
た
)
つて
傍
(
かたはら
)
なる
卓上
(
たくじやう
)
に
一面
(
いちめん
)
の
海圖
(
かいづ
)
を
押擴
(
おしひろ
)
げ、
具
(
つぶ
)
さに
緯度
(
ゐど
)
を
計
(
はか
)
りつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
受験生の境遇に
真正
(
ほんとう
)
の同情が出来るのは
具
(
つぶ
)
さに受験生の経験を嘗めた者ばかりだ。兄さんの俊一君は常に二郎君の為めに
執成
(
とりな
)
し役を勤めている。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そして割合に給料が上らない。サア事ダ、私の多事多難はここからスタートして、それからが波瀾重畳、
具
(
つぶ
)
さに辛酸を嘗めた幾十年を大学で過ごした。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
霙
(
みぞれ
)
の一夜中の島公会堂で大辻司郎君と乱闘したことはじめ、帰京後何年かの落語家生活までを
具
(
つぶ
)
さに書いてそれで前後四回に纒め上げるつもりでいたところ
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
其風采や質樸無難にして
具
(
つぶ
)
さに平凡の極致に達し、平和を愛し温順を尚ぶの美徳余つて、妻君の尻の下に布かるゝをも敢て恥辱とせざる程の忍耐力あり、現に今このS——村に於ては
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ただ
一筋
(
ひとすじ
)
でも巌を越して
男滝
(
おだき
)
に
縋
(
すが
)
りつこうとする形、それでも中を
隔
(
へだ
)
てられて末までは
雫
(
しずく
)
も通わぬので、
揉
(
も
)
まれ、揺られて
具
(
つぶ
)
さに
辛苦
(
しんく
)
を
嘗
(
な
)
めるという
風情
(
ふぜい
)
、この方は姿も
窶
(
やつ
)
れ
容
(
かたち
)
も細って
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
具
(
つぶ
)
さに物語り彼忠兵衞を證據人と
爲
(
な
)
し私し
駈込願
(
かけこみねが
)
ひ致し度と涙を
浮
(
うか
)
めて頼みける
容子
(
ようす
)
に
貞心
(
ていしん
)
顯
(
あらは
)
れければ長助は感心なし今度忠兵衞が
計
(
はか
)
らずお前方に
過去
(
すぎさり
)
たる一
件
(
けん
)
を
口走
(
くちばし
)
りしはお光殿の
貞心
(
ていしん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と安川君は数ヵ月の経験から尚お
具
(
つぶ
)
さに要領を話してくれた。二人は大学にいた頃は通り一遍の交際だったが、実社会へ出て机を並べると事が早い。間もなく懇親を深めた。
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
僕は中学校へ入る時も二度
失敗
(
しくじ
)
っている。受験苦というものを
具
(
つぶ
)
さに嘗めた。それが皆自分の実力の致すところでなくて、
偏
(
ひとえ
)
に菊太郎君のお蔭だと思うと、今更恨めしくなる。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と三好さんは書斎から持って来て、
具
(
つぶ
)
さに内容を説明してくれた。何処までも先生だ。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
尤もその間にお母さんは高円寺へ抜け駈けをして
具
(
つぶ
)
さに打ち合せたのである。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“具”の意味
《名詞》
(グ)料理の材料。汁物や鍋料理に入れるもの、混ぜ御飯に混ぜるもの、麺類の上にのせるもの、袋状のものに詰めるものなどを言う。
(グ)(俗語)外陰部。
(グ)(古)比較的簡素な道具。
(グ)(比喩的)道具。手段。手だて。
(グ)顔料。
(出典:Wiktionary)
“具”の解説
具(ぐ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“具”を含む語句
玩具
道具
夜具
不具者
具合
器具
道具立
香具
具備
武具
不具
香具師
翫具
絵具
繪具
古道具
寝具
索具
面道具
玩具店
...