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もの
ふりがな文庫
“
具
(
もの
)” の例文
ここにその
妻
(
みめ
)
須世理毘賣
(
すせりびめ
)
は、
喪
(
はふり
)
つ
具
(
もの
)
一〇
を持ちて哭きつつ來まし、その父の大神は、すでに
死
(
う
)
せぬと思ほして、その野に出でたたしき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
事情
(
わけ
)
を知らない引船と
禿
(
かむろ
)
は、さっきここを出て行く前に、次の部屋へ、大名の姫君でも
臥
(
ふ
)
せるような豪奢な
夜
(
よる
)
の
具
(
もの
)
を敷いて行った。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
別に資本のいると申すでもなし座敷の飾り夜の
具
(
もの
)
皿小鉢のいくらかを、分けて戴けばそれで済みまする。
野路の菊
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
このように冷える所で、そうしてござっては、御風邪など召すとわるい、どれ、私が夜の
具
(
もの
)
をかけて進ぜましょう。(部屋の片隅の押入れから夜具を出そうとする)
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
使ってるものには立派過ぎた夜具、
敷蒲団
(
しきぶとん
)
、畳んだまま
裾
(
すそ
)
へふっかりと一つ、それへ乗せました枕は、病人が始終黒髪を取乱しているのでありましょう、夜の
具
(
もの
)
の清らかなるには似ず
垢附
(
あかつ
)
きまして
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
夜の
具
(
もの
)
は敷いたまゝでした。
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
堂守の妙達とは、日ごろ顔見知りだったので、
御扉
(
みとびら
)
を開けてくれたのも、薄い夜の
具
(
もの
)
をかしてくれたのも、みな彼の親切だった。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで、この男の旅姿を見た時から、ちゃんと心づもりをしたそうで、
深切
(
しんせつ
)
な宰八
爺
(
じじ
)
いは、夜の
具
(
もの
)
と一所に、机を
背負
(
しょっ
)
て来てくれたけれども、それは使わないで、床の間の隅に、
埃
(
ほこり
)
は据えず差置いた。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
元気なのは、
破
(
や
)
れ三味線を借りて来て
爪弾
(
つめび
)
きをしているし、皮膚の青白いのは、もう夜の
具
(
もの
)
を
被
(
かず
)
いで、壁に向って寝こんでいる。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丹女は立って、さながら出陣のそれにも等しく、すべて
浄
(
きよ
)
らかな
木綿
(
もめん
)
の肌着、腹巻、小袖、
細々
(
こまごま
)
した旅の
具
(
もの
)
まで、一揃いそこへ運んで来た。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
綽空は、その夜の
具
(
もの
)
にくるまれて、この幾夜かを、ふたたび夢魔に襲われとおした——いや魔というべくは余りに
和
(
やわ
)
らかい悩ましさである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薄い夜の
具
(
もの
)
に代って、べつな寝具が備えてある。決して、ぜいたくな品ではないが、
垢
(
あか
)
のにおいのないものであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
這入ってみると、そんなビクついたものではなく、草を編んだ敷物もあれば、毛皮、夜の
具
(
もの
)
も片すみに積んである。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
住持から受けて来たらしい
餞別
(
せんべつ
)
の笠、
草鞋
(
わらじ
)
など、旅装の
具
(
もの
)
を枕べにおき、
短檠
(
たんけい
)
の灯を消して、
寝床
(
とこ
)
についた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
書院の隣室には、もう夜の
具
(
もの
)
が
展
(
の
)
べてある。老体の佐渡は、横になりたかった所だが、子どもが好きとみえて、伊織が、ちょこなんと住職のそばに坐ったのをみると
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すこしの暇でもあれば、彼女も母のそばへ来て、ともに
掌
(
て
)
をあわせていた。ここへ移ってからの彼女は一切召使の手をからず、母の食事から
夜
(
よる
)
の
具
(
もの
)
の上げ下ろしまでみなしていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……もし、枕を、枕を」お吉は、
酒顛童子
(
しゅてんどうじ
)
のようになって寝入った良人を、
怖々
(
こわごわ
)
とのぞいて、そっと、その顔を木枕へのせてやり、足の上へ
夜
(
よる
)
の
具
(
もの
)
をかけて、ほっと自分に
回
(
かえ
)
った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喰べたらその代りに、こんどは仲よう歩いて
賜
(
た
)
もよ。もう一、二里じゃ。墨染の伯母さまの家まで行けば、お
美味
(
いし
)
い物もたんと下さろ。夜の
具
(
もの
)
も暖かにして下さろ。もうすこしのご辛抱ぞや
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぜひなく家臣たちは、夜の
具
(
もの
)
を着せかけて、そっと
杯盤
(
はいばん
)
をとりかたづけ、やがてみな、
疎林
(
そりん
)
の外で、夜営の支度にかかっていた。そして、そうした外の物音も
寂
(
せき
)
とひそまり返った頃である。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……そして、ふと眼をさました時は、川や海に近い水郷の常として、そこらの壁や、夜の
具
(
もの
)
まで、じっとりと、水気をふくみ、自分のそばに、もひとり黒髪をみだしたものが寝くたれていた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……でも、夜の
具
(
もの
)
も召さずに、そんな所でお横になっていらっしゃると」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
夜
(
よる
)
の
具
(
もの
)
は、お寒うないようにしてあるか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とつぜん、彼は夜の
具
(
もの
)
を
刎
(
は
)
ねのけた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「夜の
具
(
もの
)
がお粗末すぎる」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“具”の意味
《名詞》
(グ)料理の材料。汁物や鍋料理に入れるもの、混ぜ御飯に混ぜるもの、麺類の上にのせるもの、袋状のものに詰めるものなどを言う。
(グ)(俗語)外陰部。
(グ)(古)比較的簡素な道具。
(グ)(比喩的)道具。手段。手だて。
(グ)顔料。
(出典:Wiktionary)
“具”の解説
具(ぐ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“具”を含む語句
玩具
道具
夜具
不具者
具合
器具
道具立
香具
具備
武具
不具
香具師
翫具
絵具
繪具
古道具
寝具
索具
面道具
玩具店
...