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具
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そなわ
ふりがな文庫
“
具
(
そなわ
)” の例文
したがって自分がこういう気分になりたいと思った時に、その気分を起してくれる非我の世界の形相が
具
(
そなわ
)
っておらん事があります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人には相当に廉恥心という者が
具
(
そなわ
)
ってるから自分の言った語に対しても行わねばならぬという場合も起って来るものである。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
戦争で何万人殺したって凄みはでないが、この先生は天下泰平の時代に人殺しを稼業にしたという凄みが
具
(
そなわ
)
っているから怖しい。ゴリラの体格。
現代忍術伝
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
併
(
しか
)
し、そんな彼にも、
生命
(
いのち
)
を
惜
(
お
)
しむ本能
丈
(
だ
)
けは
具
(
そなわ
)
っていたと見えて、二十五歳の今日が日まで「死ぬ死ぬ」といいながら、つい死切れずに生き長えているのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
須藤はそういう家庭に育っただけに、どことなく貴族的で、わざとらしくない品位が
具
(
そなわ
)
っていた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
身
(
み
)
には
平袖
(
ひらそで
)
の
白衣
(
びゃくい
)
を
着
(
き
)
て、
帯
(
おび
)
を
前
(
まえ
)
で
結
(
むす
)
び、
何
(
なに
)
やら
絵
(
え
)
で
見覚
(
みおぼ
)
えの
天人
(
てんにん
)
らしい
姿
(
すがた
)
、そして
何
(
な
)
んともいえぬ
威厳
(
いげん
)
と
温情
(
おんじょう
)
との
兼
(
か
)
ね
具
(
そなわ
)
った、
神々
(
こうごう
)
しい
表情
(
ひょうじょう
)
で
凝乎
(
じっ
)
と
私
(
わたくし
)
を
見
(
み
)
つめて
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
役者というものは、風格が
具
(
そなわ
)
って来ると、丁度今の羽左衛門のように、気分で見物人を圧して行く。それは容貌に依ってである。役者は五十を過ぎてから、舞台顔が完成して来る。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
臆説って、
貴下
(
あなた
)
がお話しなすった癖に。そうしてこう骨になってから、全体
具
(
そなわ
)
っているのは、何でも非常な
別嬪
(
べっぴん
)
に違いない。何骨とか言って、仏家では
菩薩
(
ぼさつ
)
の化身とさえしてある。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
迷わせ、最後に
尽
(
ことごと
)
くそれを失望させる要件が
具
(
そなわ
)
っている女であればよいので、必ずしもそれを天上の仙女にしなければならぬ必要は無いのであるが、最初の作だけに昔からある話の筋を
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
口があるから喰うように
具
(
そなわ
)
っている人の体だから、只
能
(
よ
)
く働いて天道に欠けず、骨折ってさえ居れば自然に
喰
(
た
)
べられるようになってあるのだから、
喰
(
く
)
えねえ着られねえという事はねえ筈だが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
某氏(五七)はかなり楽な
生活
(
くらし
)
をしていた人で、幸福であるために必要であるものはすべて
具
(
そなわ
)
っていたのである。何が氏をしてかかる不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全く不明である。
ある自殺者の手記
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
理性の
具
(
そなわ
)
った人間なら自分が殺さないという事実は一見物的証拠が揃っていてもはっきり自分に分っている。だからその事実に立脚して外部的判断と闘うという風に考えるのは普通人の頭である。
作家のみた科学者の文学的活動
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
アプリオリに人性に
具
(
そなわ
)
っているのだ。作品などもいやしくも人間の心情のニューアンスなら、万人の心に必ず解るのだ。読者を信じて高い、深いことを書くべきだ。レベェルを下げる必要はない。
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
私が笑えば笑う程、余計に内儀は私達を「お寺さん」にして
了
(
しま
)
って、
仮令
(
たとえ
)
内幕は世俗の人と同じようでも、それも各自の身に
具
(
そなわ
)
ったものであることなどを、半ば
羨
(
うらや
)
み、半ば
調戯
(
からか
)
うような調子で言った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
かかる高い人格と深い学識が神ならぬ「人間ども」にも
具
(
そなわ
)
っているということは、生きている唯一の神として育てられた女帝には考えられなかったことで
安吾史譚:02 道鏡童子
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
実業家などがむずかしい相談をするのにかえって
見当違
(
けんとうちがい
)
の待合などで落合って要領を得ているのも、全く酒色という人間の窮屈を
融
(
と
)
かし合う機械の
具
(
そなわ
)
った場所で、その影響の下に
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも彼はほとんど以前と同じように単純な、もしくは単純とより解釈のできない清子を眼前に
見出
(
みいだ
)
した。彼女の態度には二人の間に関を話題にするだけの余裕がちゃんと
具
(
そなわ
)
っていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の地位、父との関係、父から特別の依頼を受けて津田の面倒を見てくれている目下の事情、——数えれば数えるほど、彼には有利な条件が
具
(
そなわ
)
っていた。けれどもそこにはまた一種の困難があった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“具”の意味
《名詞》
(グ)料理の材料。汁物や鍋料理に入れるもの、混ぜ御飯に混ぜるもの、麺類の上にのせるもの、袋状のものに詰めるものなどを言う。
(グ)(俗語)外陰部。
(グ)(古)比較的簡素な道具。
(グ)(比喩的)道具。手段。手だて。
(グ)顔料。
(出典:Wiktionary)
“具”の解説
具(ぐ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
具
常用漢字
小3
部首:⼋
8画
“具”を含む語句
玩具
道具
夜具
不具者
具合
器具
道具立
香具
具備
武具
不具
香具師
翫具
絵具
繪具
古道具
寝具
索具
面道具
玩具店
...