“具(そなは)” の例文
又産児を免(まぬか)るべき科学的方法並びに道徳的論も略(ほぼ)完全に具(そなは)りたれば当代の女人の必(かならず)しも交合(かうがふ)を恐れざるは事実なるべし。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
三四郎は急に気を易(か)へて、別の世界の事を思ひ出した。——是から東京に行く。大学に這入る。有名な学者に接触する。趣味品性の具(そなは)つた学生と交際する。図書館で研究をする。著作をやる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一寸した人生の出来事にも、まだ身体のなかにそれに対する免疫性といふものが少しも具(そなは)つてゐないのだ。……こんな小娘を二十前(はたちまへ)に、他人の家庭に渡すなどといふ事が第一間違つてゐたのだ。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)