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格好
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かっこう
ふりがな文庫
“
格好
(
かっこう
)” の例文
「これでは、しかし、懇談ができそうにもないね。一たい君らは、村の青年団で懇談会をやる時にも、こんな
格好
(
かっこう
)
に集まるのかね。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そこには枝をひろげたシロマツの下の、たいへん奥まった日蔭になったところに、坐るに
格好
(
かっこう
)
なきれいな堅い芝土がまだあった。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
「間違ったのだよ。何時でも風呂から先に出て来るのはお房の方だし、身体の
格好
(
かっこう
)
がよく似ている上に、お仕着せまで同じだ」
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その自分の姿が、いかにも不幸で
孤独
(
こどく
)
で
侘
(
わび
)
しげな一個の若者といった
格好
(
かっこう
)
なので、しまいには、我と我が身がいじらしくなってくるのだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
鬼
(
おに
)
七と呼ばれてはいるが、
名前
(
なまえ
)
とはまったく
違
(
ちが
)
った、すっきりとした
男前
(
おとこまえ
)
の、
結
(
ゆ
)
いたての
髷
(
まげ
)
を
川風
(
かわかぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かせた
格好
(
かっこう
)
は、
如何
(
いか
)
にも
颯爽
(
さっそう
)
としていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
「へい、私の名は
鴫丸
(
しぎまる
)
というんで」こう答えたのは片耳のない、大兵だが
魯鈍
(
ろどん
)
らしい男であった。年
格好
(
かっこう
)
は二人ながら、二十七、八歳と思われる。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
したがって
刃
(
は
)
も薄かった。けれども鞘の
格好
(
かっこう
)
はあたかも六角の
樫
(
かし
)
の棒のように厚かった。よく見ると、
柄
(
つか
)
の
後
(
うしろ
)
に細い棒が二本並んで差さっていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十一時の休憩時間に小使いの関さんが
武蔵坊弁慶
(
むさしぼうべんけい
)
のような
格好
(
かっこう
)
をしてはいってくる。兵隊あがりの名物男だ。石炭を持っている時はことに評判がいい。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
みなりもお嬢さんみたいだし、髪の
格好
(
かっこう
)
だってそうだ。
駄目
(
だめ
)
だよ、それじゃ。身のほどを知らなくちゃ。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「なに? パラソル? あの、紫色の、へんつくりんな
格好
(
かっこう
)
の蝙蝠が?」と春吉は、驚きの眼を
睜
(
みは
)
った。
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
芝生
(
しばふ
)
を隔てて二十
間
(
けん
)
ばかり先だから判然しない。判然しないが似ている。背
格好
(
かっこう
)
から歩きつきまで確かに
武
(
たけし
)
だと思ったが、彼は足早に過ぎ去って
木陰
(
こかげ
)
に隠れてしまった。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
清らかにしなければならんのだが、
余
(
あんま
)
り清らかでねえことさ、これでその日を送る身の上、
行灯
(
あんどん
)
は
提灯屋
(
ちょうちんや
)
へ
遣
(
や
)
ると
銭
(
ぜに
)
を取られるから僕が書いた、鍋の
格好
(
かっこう
)
が
宜
(
よろ
)
しくないが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その時、髪の白い、背の高い、勇健な体格を具えた老農夫が、同じ年
格好
(
かっこう
)
な仲間と並んで、いずれも土の
喰
(
く
)
い入った大きな手に鍬を携えながら、私達の側を挨拶して通った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
老人がこう云いかけた時に、
磯
(
いそ
)
の方から三人の仲間の
塩汲
(
しおくみ
)
があがって来ました。三人の
中
(
うち
)
の一人は、十三四歳の小供でありました。前には四十
格好
(
かっこう
)
の
脊
(
せ
)
の高い男がおりました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは、じつに怪奇というかグロテスクというか、すさまじい
格好
(
かっこう
)
と
色合
(
いろあい
)
のものであった。全長は一メートルよりすこし長いくらいで太短かい。上半身は大きいが、下半身が発達していない。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
細い高い鼻と
格好
(
かっこう
)
のよい口元は、決して醜い感じを与えないのみか、むしろ美しくあるべきなのだが、生気のまったく見えぬその容貌には、なんとなく不気味な感じさえ現われているのである。
黄昏の告白
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
康頼 (沖を
凝視
(
ぎょうし
)
す)あれは
都
(
みやこ
)
から来た船だ。(
渚
(
なぎさ
)
に走る)あの
帆柱
(
ほばしら
)
や
帆
(
ほ
)
の張り方や
櫓
(
ろ
)
の
格好
(
かっこう
)
はたしかにそうだ。いなかの船にはあんなのはない。(波の中に夢中でつかり、息をこらして船を見る)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「少しは、
格好
(
かっこう
)
を話さなければ、所詮、耳をかす男ではないもの」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうも
田舎
(
いなか
)
だから、
格好
(
かっこう
)
なところがなくって……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
それで運転手は頭を下げた
格好
(
かっこう
)
になった。
記憶
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
声だけは、いかにも蝉らしかったが、からだのほうは、まるで小牛が身ぶるいしているような
格好
(
かっこう
)
だった。みんな腹をかかえて笑った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
キツツキが幹の
陰
(
かげ
)
から、心配そうな顔を右に左にのぞかせる
格好
(
かっこう
)
は、コントラバスの首の陰から楽師が首をのぞかせる様子にそっくりだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そこでわれわれは、神話を改訂したり、寓話のそこここを磨きあげたり、地上に
格好
(
かっこう
)
な土台が見あたらない空中楼閣を建てたりしてはたらいた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
どうしたものか四十
格好
(
かっこう
)
の男、急に駄弁を途中で封じ、ゾロゾロ通っている人ごみの方へ、
吃驚
(
びっくり
)
したような眼を向けた。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その衝立には
淡彩
(
たんさい
)
の鶴がたった一羽
佇
(
たた
)
ずんでいるだけで、姿見のように細長いその
格好
(
かっこう
)
が、普通の寸法と違っている意味で敬太郎の注意を
促
(
うな
)
がした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ふふ、
居
(
お
)
らんと
見
(
み
)
えるの。このようによう
映
(
うつ
)
る
格好
(
かっこう
)
を、
見
(
み
)
せようとおもとるに。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
けれどこの時ほど父の姿がわたしに、すらりと
格好
(
かっこう
)
よく見えたこともなかったし、その灰色の帽子が、こころもち薄くなりかけた
捲毛
(
まきげ
)
の上に、すっきり合って見えたこともなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
その時同僚は、一口に説明のできる
格好
(
かっこう
)
な言葉を
有
(
も
)
っていなかったと見えて、まあ禅学の書物だろうというような妙な
挨拶
(
あいさつ
)
をした。宗助は同僚から聞いたこの返事をよく覚えていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見ると荒田老は
両腕
(
りょううで
)
を深く組み、その上にあごをうずめて、
居眠
(
いねむ
)
りでもしているかのような
格好
(
かっこう
)
をしていた。ほかの人たちの中にも、頭を
椅子
(
いす
)
の背にもたせて眼をつぶっているものが二三人あった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
二十歳
(
はたち
)
ぐらいの年
格好
(
かっこう
)
である。快活で無邪気で大胆らしい。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おせんが
茶
(
ちゃ
)
をくむ
格好
(
かっこう
)
じゃ、
早
(
はよ
)
う
見
(
み
)
に
来
(
き
)
たがいい」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
去るほどにその
格好
(
かっこう
)
たるやあたかも
疝気持
(
せんきもち
)
が
初出
(
でぞめ
)
に
梯子乗
(
はしごのり
)
を演ずるがごとく、吾ながら乗るという字を
濫用
(
らんよう
)
してはおらぬかと危ぶむくらいなものである、されども乗るはついに乗るなり
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助も二尺余りの細い松を買って、門の柱に
釘付
(
くぎづけ
)
にした。それから大きな赤い
橙
(
だいだい
)
を
御供
(
おそなえ
)
の上に
載
(
の
)
せて、床の間に
据
(
す
)
えた。床にはいかがわしい
墨画
(
すみえ
)
の梅が、
蛤
(
はまぐり
)
の
格好
(
かっこう
)
をした月を
吐
(
は
)
いてかかっていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
好
常用漢字
小4
部首:⼥
6画
“格”で始まる語句
格子
格子戸
格別
格
格闘
格子縞
格天井
格子窓
格言
格納庫