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恰好
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かつかう
ふりがな文庫
“
恰好
(
かつかう
)” の例文
天城も下田街道からでは
恰好
(
かつかう
)
な場所がない。舊噴火口のあとだといふ八丁池に登る途中からは隨所に素晴しい富士を見る事が出來た。
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
かうもくろんだので、私は、腰掛にずつと深く腰をかけ、さも計算に
忙
(
せは
)
しいふりをし、顏を隱すやうな
恰好
(
かつかう
)
に
石板
(
せきばん
)
を抱へ込んでゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「お前さんは一体、どうなすつたぢや。赤鬼が桃太郎に降参したやうな、そんな
恰好
(
かつかう
)
をして……一体こりや、何ちふことぢやのう。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
女陰などといふとすさまじく聞こえるが、実は支那の
古篆
(
こてん
)
の『日』の字のやうな
恰好
(
かつかう
)
をしてゐるものに過ぎない。男根でもさうである。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あひるさんは大変おしやれでしたから、自分の足の
恰好
(
かつかう
)
のことは
棚
(
たな
)
へあげて、きりぎりすさんのこしらへてきた靴を一目見ていひました。
あひるさん の くつ
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
▼ もっと見る
金時計
(
きんどけい
)
だの
金鎖
(
きんぐさり
)
が
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
べてあるが、
是
(
これ
)
もたゞ
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や
恰好
(
かつかう
)
として、
彼
(
かれ
)
の
眸
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
る
丈
(
だけ
)
で、
買
(
か
)
ひたい
了簡
(
れうけん
)
を
誘致
(
いうち
)
するには
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
偖
(
さ
)
て、
然
(
さ
)
うなると、この
教育
(
けういく
)
のある
娘
(
むすめ
)
が、
何
(
なに
)
しろ
恰好
(
かつかう
)
が
惡
(
わる
)
い、
第一
(
だいいち
)
又
(
また
)
持
(
も
)
ちやうが
惡
(
わる
)
い、
前
(
まへ
)
へ
𢌞
(
まは
)
して
膝
(
ひざ
)
へ
取
(
と
)
つて
持
(
も
)
ち
直
(
なほ
)
せといふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
舞妓
(
まひこ
)
は風を引いてゐたと見えて、下を向くやうな所へ来ると、必ず
恰好
(
かつかう
)
の
好
(
い
)
い鼻の奥で、
春泥
(
しゆんでい
)
を踏むやうな音がかすかにした。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それから
卓
(
しよく
)
の
供物
(
くもつ
)
を
恰好
(
かつかう
)
よくして
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
に
總代等
(
そうだいら
)
は
箕
(
み
)
へ
入
(
い
)
れて
行
(
い
)
つた
注連繩
(
しめなは
)
を
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
から
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
へ
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
つて
末社
(
まつしや
)
の
飾
(
かざり
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それが腹をなでて、子豚はくすぐつたくてたまりません。鳴いたり笑つたりして、くすぐつたいをかしな
恰好
(
かつかう
)
で、舞台の上を歩きまはります。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
想ふにこの女子まだ十五ばかりなるべけれど、
脊丈
(
せたけ
)
伸びて
恰好
(
かつかう
)
なれば、
行酒女神
(
ヘエベ
)
の像の粉本とせんも似つかはしかるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
白い
股引
(
もゝひき
)
に
藁草履
(
わらざうり
)
を穿いた
田子
(
たご
)
そのまゝの
恰好
(
かつかう
)
して家でこさへた
柏餅
(
かしはもち
)
を
提
(
さ
)
げて。私は柏餅を室のものに分配したが、皆は半分食べて窓から投げた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「今日楢雄を見ましたよ。この暑いのに合服を着て、ボロ靴をはいて、失業者みたいなみすぼらしい
恰好
(
かつかう
)
でしたよ。」
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
一方に於てはエスペラントなるものが此需要を満足する
恰好
(
かつかう
)
の言語であることを証拠立てるとまあいふべきでせう。
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その後から八五郎が、自分の彌造を追つ驅けるやうな
恰好
(
かつかう
)
で、ホクホクと
從
(
つ
)
いて行つたことは言ふ迄もありません。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、番人の女があれだけしツかり物であるらしいのを見ると、それと同じ年
恰好
(
かつかう
)
のお鳥もその獨り旅の汽車の上をさう心配してやるにも及ぶまい。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
以て訴ゆべしとて役人は歸へけり此家の番頭はお竹が父親なりしかば大いに悲みお竹の
亡骸
(
なきがら
)
を
取納
(
とりをさ
)
めける扨利兵衞は
娘
(
むすめ
)
お
菊
(
きく
)
を呼て其方盜賊の
面體
(
めんてい
)
恰好
(
かつかう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それで軍人の階級なぞは好く分からない。併し先に立つて行つた四角な顔の太つた男は、年も四十
恰好
(
かつかう
)
で、大佐か中佐かだらうといふこと
丈
(
だけ
)
は分かつた。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
だいぶ疲れてもゐましたし、自分たちのやうな
恰好
(
かつかう
)
では、なんだか仲間はづれのやうに思はれもするのでした。
プールと犬
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
『えゝ、
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
てよ!』と
愛
(
あい
)
ちやんが
叫
(
さけ
)
びました、この
最後
(
さいご
)
の
言葉
(
ことば
)
には
頓着
(
とんちやく
)
せずに。『それは
植物
(
しよくぶつ
)
だわ。
些
(
ちつ
)
とも
人間
(
にんげん
)
のやうな
恰好
(
かつかう
)
をしちや
居
(
ゐ
)
なくつてよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
こはれた
硯
(
すゞり
)
のはしを
鋸
(
のこぎり
)
で
挽
(
ひ
)
つきつて、それを小さな小判形(印章屋では二分小判と称する)に石ですりまろめて、
恰好
(
かつかう
)
をとゝのへたが、刻るのは
造作
(
ざうさ
)
なかつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
気の小さい二人は、「済まない/\。」と、口癖に云つては居るが、さて
恰好
(
かつかう
)
な仕事口も無いので、兄の筆耕をしたり、走使なぞしてブラ/\日を送つて居る。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
してお
内儀
(
かみ
)
さんはと阿関の問へば、御存じで御座りましよ筋向ふの杉田やが娘、色が白いとか
恰好
(
かつかう
)
がどうだとか言ふて世間の人は
暗雲
(
やみくも
)
に褒めたてた
女
(
もの
)
で御座ります
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『えらう遲い
御參詣
(
ごさんけい
)
だすな。さアお上りやす。』と、
隅
(
すみ
)
の方の暗いところから、五十
恰好
(
かつかう
)
の
肥
(
ふと
)
つた
女將
(
おかみ
)
らしい女が、ヨチ/\しながら出て來て、
嗄
(
かす
)
れた聲で言つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
愚助は
指尖
(
ゆびさき
)
で、雲の
恰好
(
かつかう
)
を教へて置いて学校へ行きました。そして一日何にも覚えないで帰つて来ますと、画家さんは大きな紙に、立派な壺の絵を描いてありました。
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
文章を書くと
云
(
い
)
ふよりは
柔術
(
やはら
)
を取りさうな
恰好
(
かつかう
)
で、
其頃
(
そのころ
)
は
水蔭亭主人
(
すゐいんていしゆじん
)
と
名宣
(
なの
)
つて
居
(
ゐ
)
ました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「え、え、あそこは——。汚ない
恰好
(
かつかう
)
をして近くへ寄つて来るので御座いますもの——」
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
「こゝへかう持つてくより外仕方がないな。」と、押入の左手の、半間幅の中塗の壁へあてがつて、
恰好
(
かつかう
)
を見てお出でになる。額は
稍
(
やゝ
)
太目の赤い絹の打紐で吊すやうになつてゐる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
彼
(
かれ
)
の
容貌
(
ようばう
)
はぎす/\して、
何處
(
どこ
)
か
百姓染
(
ひやくしやうじ
)
みて、
※鬚
(
あごひげ
)
から、ベツそりした
髮
(
かみ
)
、ぎごちない
不態
(
ぶざま
)
な
恰好
(
かつかう
)
は、
宛然
(
まるで
)
大食
(
たいしよく
)
の、
呑※
(
のみぬけ
)
の、
頑固
(
ぐわんこ
)
な
街道端
(
かいだうばた
)
の
料理屋
(
れうりや
)
なんどの
主人
(
しゆじん
)
のやうで、
素氣無
(
そつけな
)
い
顏
(
かほ
)
には
青筋
(
あをすぢ
)
が
顯
(
あらは
)
れ
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
踞
(
しやが
)
んで居たる四十
恰好
(
かつかう
)
の男
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
すると良寛さんは、びつくりしたやうな
恰好
(
かつかう
)
で、
背後
(
うしろ
)
へそつくりかへる。以前からの約束で、さうしなければならないのである。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
いはば西洋文字のHの様な
恰好
(
かつかう
)
になつたのである。すると其の川に住んでゐる魚族が一度にむらがり死ぬといふ現象が起つた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
幼君
(
えうくん
)
これを
見給
(
みたま
)
ひて、「さても
好
(
よ
)
き
恰好
(
かつかう
)
かな」と
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
ちてのたまへば「なるほど
宜
(
よろ
)
しく
候
(
さふらふ
)
」と
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
にて
答
(
こた
)
へたり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それが
膨
(
ふく
)
れると
自然
(
しぜん
)
と
達磨
(
だるま
)
の
恰好
(
かつかう
)
になつて、
好加減
(
いゝかげん
)
な
所
(
ところ
)
に
眼口
(
めくち
)
迄
(
まで
)
墨
(
すみ
)
で
書
(
か
)
いてあるのに
宗助
(
そうすけ
)
は
感心
(
かんしん
)
した。
其上
(
そのうへ
)
一度
(
いちど
)
息
(
いき
)
を
入
(
い
)
れると、
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
膨
(
ふく
)
れてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
百兵衞は謎々の理由を訊かれると、餘つ程それが言ひ度くなかつた樣子で、挨拶もそこ/\、逃げるやうに外へ——不器用な
恰好
(
かつかう
)
で飛出してしまひました。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
他の土地へ移るといふも
億劫
(
おくくふ
)
だし、矢張り沼津を——私が越して來てゐるうちに沼津町から沼津市に變つてゐた——中心として
恰好
(
かつかう
)
な空家は無いかと探し始めた。
樹木とその葉:04 木槿の花
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
してお
内儀
(
かみ
)
さんはと
阿關
(
おせき
)
の
問
(
と
)
へば、
御存
(
ごぞん
)
じで
御座
(
ござ
)
りましよ
筋向
(
すぢむか
)
ふの
杉田
(
すぎた
)
やが
娘
(
むすめ
)
、
色
(
いろ
)
が
白
(
しろ
)
いとか
恰好
(
かつかう
)
が
何
(
ど
)
うだとか
言
(
い
)
ふて
世間
(
せけん
)
の
人
(
ひと
)
は
暗雲
(
やみくも
)
に
褒
(
ほ
)
めたてた
女
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
ります
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その時の弟子の
恰好
(
かつかう
)
は、まるで酒甕を転がしたやうだとでも申しませうか。何しろ手も足も
惨
(
むご
)
たらしく折り曲げられて居りますから、動くのは唯首ばかりでございます。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
毎日
(
まいにち
)
一
(
ひと
)
つに
居
(
ゐ
)
る
自分
(
じぶん
)
にもさういへば
身體
(
からだ
)
の
恰好
(
かつかう
)
までどうやらさう
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
たと
勘次
(
かんじ
)
も
心
(
こゝろ
)
で
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
申すやと有しかば
雲源
(
うんげん
)
全
(
まつた
)
く
僞
(
いつは
)
りは申上ず私し
盜賊
(
たうぞく
)
に
紛
(
まぎ
)
れ之なく候
御仕置
(
おしおき
)
仰付
(
おほせつけ
)
らるべしと云に
大岡殿
(
おほをかどの
)
否
(
いや
)
彼の吉三郎は其方と兄弟に
非
(
あら
)
ずや
人相
(
にんさう
)
恰好
(
かつかう
)
音聲
(
おんせい
)
までもよく似たり
汝
(
なんぢ
)
弟
(
おとゝ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「お一人でまあ、おさびしいでせう。一つあたし、
恰好
(
かつかう
)
なお話相手を見つけませうか」
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
最初
(
さいしよ
)
、十
人
(
にん
)
の
兵士
(
へいし
)
が
棍棒
(
こんぼう
)
を
携
(
たづさ
)
へて
來
(
き
)
ました、
此等
(
これら
)
は
皆
(
みん
)
な三
人
(
にん
)
の
園丁
(
えんてい
)
のやうな
恰好
(
かつかう
)
をして
居
(
ゐ
)
て、
長楕圓形
(
ちやうだゑんけい
)
で
平
(
ひら
)
たくて、
隅々
(
すみ/″\
)
からは
其
(
そ
)
の
手足
(
てあし
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
ました、
次
(
つぎ
)
に
來
(
き
)
たのは十
人
(
にん
)
の
朝臣
(
てうしん
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
玄關のがらす戸を明けて這入り、案内を乞ふと、番頭らしい四十
恰好
(
かつかう
)
の男が出て來て受けついで呉れる。それに導かれて、長い廊下に添うて奧の客間へ通ると、既に二三人の客がゐた。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
歩く時に非常に変な
恰好
(
かつかう
)
をして
身体
(
からだ
)
を伸ばしたり縮めたりするのですが、それが、虫の仲間では恰好がよいといふ事になつてゐるので、尺取虫は年中、薬を調合しながら、横に鏡をかけておいて
こほろぎの死
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
利安は
信濃産
(
しなのうまれ
)
の侍女で、
小笠原内藏助
(
をがさはらくらのすけ
)
と云ふものの娘に年
恰好
(
かつかう
)
の櫛橋氏に似たのがあるので、それを
蚊帳
(
かや
)
の中に寢させ其侍女の娘が一しよに奉公してゐたのを蚊帳の外にすわらせ、話をさせて置き
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
父は威張つた
恰好
(
かつかう
)
で尻を高くはしより再び街道の真中を歩いた。その老翁を乗せて後から来た人力車は今度は僕らを
避
(
よ
)
けて追越して行つた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
今日の新太郎ちやんは、気が張つてゐたので、惣兵衛ちやんの家の前で、野良犬のやうな
恰好
(
かつかう
)
はしなかつた。栄蔵のすぐあとに続いて
閾
(
しきゐ
)
をまたいだ。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
そんな事をいつて居る平次の後ろへ、踊るやうな
恰好
(
かつかう
)
で近づいて來たのは、三十前後の下男風の男でした。
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ことに廣い駿河灣一帶よりも直ぐ眼の下に見える江の浦の細長い入江を見るに
恰好
(
かつかう
)
な所に當つてゐる。
樹木とその葉:25 或る日の昼餐
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
其
(
それ
)
も
東京
(
とうきやう
)
で
出來
(
でき
)
なかつたら、
故郷
(
こきやう
)
に
住居
(
すまひ
)
を
求
(
もと
)
めるやうに、
是非
(
ぜひ
)
恰好
(
かつかう
)
なのを
心懸
(
こゝろが
)
ける、と
今朝
(
けさ
)
も
從※
(
いとこ
)
が
言
(
い
)
ふから、いや、
何
(
ど
)
う
仕
(
つかまつり
)
まして、とつい
眞面目
(
まじめ
)
に
云
(
い
)
つて
叩頭
(
おじぎ
)
をしたつけ。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恰
漢検準1級
部首:⼼
9画
好
常用漢字
小4
部首:⼥
6画
“恰好”で始まる語句
恰好事