“ちょうど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
丁度61.6%
恰度35.0%
調度1.9%
0.6%
冢土0.3%
恰好0.3%
長土0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
某国政府当局は、国運をけたこの怪計画のために、特によりすぐった特務機関隊を編成して、丁度ちょうど一年前からわが国に潜入させたのだった。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
丁度ちょうどその頃一竿いっかんを手にして長流に対する味を覚えてから一年かそこらであったので、毎日のように中川なかがわべりへ出かけた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
所が丁度ちょうどそのは私の処に客があって、その客は服部五郎兵衛はっとりごろべえと云う私の先進先生、至極しごく磊落らいらくな人で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
うなだれかがんだ露月のすがたが、恰度ちょうど池の西北の、榊原さかきばら屋敷に沿うた曲浦きょくほのあたりにさしかかった頃でした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
その時である、私は川下の方の空に、恰度ちょうど川の中ほどにあたって、物凄ものすごい透明な空気の層が揺れながら移動して来るのに気づいた。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
鰯の大群は恰度ちょうど隣村の漁船に追い詰められていたが、李一の方の船との境目に盛り上って、じっと動かずに銀色の渦を巻いて群れているのでした。
不思議な魚 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
また一人の美女は久米一に煙草をつけて出し、また一人の美女が茶を運ぶ、それら脂粉しふん絢爛けんらん調度ちょうどにとりまかれている陶工久米一は、左眼さがんのつぶれた目っかちで、かつ醜男ぶおとこで、えてはいるが、年、六十から七十の間。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土足の武者たちは、局々つぼねつぼね調度ちょうどを荒らし、御簾みすを引き落し、お座所の御手筥みてばこからとばりまでひッくり返して、家探しに興がッた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三疊の控室までついてる上等の座敷を占領し、相当な調度ちょうどの類から洋服箪笥まで備え、艶やかに光ってる額の上の髪を、毎朝二十分もかかって綺麗に分けてる野村に、そんな負債があろうとは夢にも思わなかったのである。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ちょうど自分は何者かに追われておる様ないやな気持がするので
白い蝶 (新字新仮名) / 岡田三郎助(著)
導かれて行くにいまだ一周忌にも到らざれば、冢土ちょうど新にしていまだ碑碣ひけつを建てず。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「お前さんが嘘と思うなら、好く見ているが好い、明日からその家では、病人ができ、借金ができて、恰好ちょうどお前さんの主人の家のようになるさ」
貧乏神物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
やがて来るものは何か。薩南さつなんの青年や長土ちょうどの若者は、何を目ざして来つつあるか。おのおのの眼にはうつらぬか。剣道精神と申すものは、かかる有事のときにこそ、発揚すべきもの。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)